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僕の魔法学校が女子高に突っ込みました。  作者: 真北哲也
入学準備と百合子
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僕は今、蒸し暑い体育館に押し込められて、とてもとても長い校長の話を聞いている。本日は、始業式。勿論、全校生徒も一緒だ。


「……であるからして、皆さんは有意義な夏休みを過ごし……」


まったく、何故に校長の話は長いのだろうか?先ほどから同じように聞こえる。僕はそんな校長の長話に飽きてきたので、目玉だけで回りを見渡した。そこで、見つけたのは、百合子であった。


僕の斜め左前にいたので、直ぐにわかった。百合子は真面目に校長の話を聞いていた。ふと、視線を下に落としていったら、左手首に腕時計がしてあった。あの時計だ! 僕は意識を集中した。


【あー早く終わってよ、蒸し暑いから限界なんだからー早く終わってよー……】



……


百合子も校長の話に痺れを切らしていた。(聴かなきゃ良かった…)


やっと長い長い始業式が終わった。全校生徒は、閉じ込めれていた体育館から一斉に退場を始めた。(おーい!学年別にクラスごとに退場しろっ!)と、生活指導兼体育教師が注意を促したが、皆は聞く耳を持たずに、出ていっている。


僕も、そんな注意を聞く耳を持たずに、暑くなった体を引きずりながら、体育館の入り口に歩みを進めた。ゾンビの様にだらだらと、向かっていたら、入り口付近で固まっていた生徒達が声を上げていた。




「うわ!なんか怖い人がいるっ! 」


「なんで、スーツなの?暑くないの?」


「新しい先生なのかな?」


などなど、声が上がっていた。



……あ、なんかその人わかるわ(苦笑)



体育館の入り口に立っていたのは、時貞さんだった。(炎天下にブラックスーツ)


時貞さんは僕を見つけると、手招きして呼び寄せた。




「達哉君、いきなりでごめんだけど、会ってもらいたい人がいるだよ」



「え?だから、わざわざここに来たんですか? 」



「ああ、君の方が良いと思ってさ」



何が良いのか分からなかったが、時貞さんは僕を連れて校舎に引っ張って行く。


その間にいろんな生徒から冷たい目線を送られていたが、気にすることなく歩みを進めていった。


たどり着いたのは、以前にも入った校長室であった。まずは時貞さんが中に入って行き、僕は外で待った。…約五分後に時貞さんが、扉から顔を出して僕を招き入れた。




「いきなりで本当にすまない。君に協力してほしい事があって」


「協力?なんですか? 」


「実はこの学校にもう一人、君のような魔法を使える生徒が発見されたんだよ」


「え! ほんとですか? 」


「だけど…問題があってね……」


時貞さんはその一言を言った後に黙った。その場の空気が少しひんやりしたような気がした。そして、その空気を壊したのは勢いよく校長室の扉を開いた、校長本人であった。




「た!たいへんです!時貞さん!例の生徒が体育館で騒ぎを起こしてるですよ!どうか助けてください! 」


校長は滝のような汗を流しながら、早口で助けを求めてきた!


時貞さんは校長を見た後に、僕の方に視線を向けた。




「協力してくれるかい?達哉君? 」




「ええ、協力しますよ」





僕たち二人は一斉に立ち上がり、校長を先頭にして、体育館へと歩みを進めていった。



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