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朝のホームルームの時間がになって、担任の神尾先生がやってきた。
神尾先生は、いつものように生徒たちを着席させると、明日からテストであること、悔いを残さないように勉強をすること、提出課題をチェックすることなどを伝えた。
普段と変わらない日常だ。
だが、その後、神尾先生は、
「ああ、そうだ。」
と、教壇を下り際、
「竜太! 由紀! メル! 紗枝!」
と名を呼んだ。
呼ばれたのは、私たち四人全員だ。
青ざめる私たちに、神尾先生は、
「君たちは、放課後、職員室前まで来なさい。昨日のことをきっちり訊かせてもらうからね。」
と言って、教室を出ていった。
(うわわわ。)
何ということだろう。
呼び出される気は、薄々していたが、
(よりによって、放課後なんて!!)
もちろん、加藤君との約束は、先生の呼び出しに比べて優先順位が低い。
私は、どうにもならない現実に泣けてきた。
(……ううう、ひどすぎる。)
そもそもの原因は私にあったが、それでも、私は、度重なる不幸を呪わずにはいられなかった。