なな
若干、主人公の性格が悪いかも。
魔法書には、全属性についての文が書かれていたのだけど、普通にいるのだろうか? そんな最強そうな人。いるのだとしたら、うらやましすぎる。
火と水、光がほしいなぁ。
図書館からの帰りなのだけど、よく考えれば父がいれば魔法書読むより聞く方が早いような気がする、と今気づいた。……いいや、帰ったらパパのところ行こう。
まずは、家に入ってママのところへ直行した。
「お母様、ただいま~」
ママが腕を広げて待っていたのでそのままダイブする。
いい匂いがして、柔らかいし安心する。
「おかえりなさい。図書館で何を借りてきたの?」
優しい微笑みで、私の顔を覗きこむ母は母性そのものである。
「古語の本だよ」
それを聞いた母は、少し目を見開いた。
「まあ、魔術師になりたいの?」
「うん」
そう言えば、なぜか迷うような素振りが見えたけど、ママは首をふって言った。
「じゃあ、お父様にもその夢を教えてあげて」
「わかった」
こうして、パパのところへ向かうことが決まった。計画どうり、と言いたいところだけど成り行きだね。まあいいや。
なぜか、ママの様子がおかしいことはわかっていたけど、とくに気にすることなく、書斎の扉をノックする。
「お父様~。お話があるんだけど~」
声をかけると、執事みたいな人が扉を開けてくれる。
正面に大きな机が見え、山となった書類の奥にパパがいた。背後には、びっしりと本がつまった棚がある。
しまった。お仕事中か。
だけど、私は自分が両親に溺愛されていることを知っているので「また今度にしようか?」と上目遣いでたずねた。ポイントは悲しそうな雰囲気をだすことである。
「まてまて、大丈夫だよ。いま、休憩をしようと思ってたんだ」
やったぜ。
口には出さず、ガッツポーズを心で決めた。
「で、ハナは遊びにきたかな?」
パパがニコニコと問う。
私は、少しモジモジと迷う素振りをして言った。
「魔術を教えてほしいと思って……」
「ダメだ」
一瞬、聞き間違いかと思うような早さでパパが言う。
「なんで?」
私は納得できない訳で、ちょっと突っ込んで聞いてみた。
「あー、魔術は危ないんだ。ハナには、必要ない」
「でも……」
「ダメだ」
「…………」
とりつく島もない。




