さんじゅうろく
友人が二人しかいないというのは、とても寂しいものである。
だから、王子が腹黒でも、話せる口をもっているから、私は仕方なく相手をするのである。
嫌なら、喋らなくていい、なんて羨ましい。
パパ、ママ、私は孤独で死にそうです。
「また、ぼーっとしてる」
王子に指摘され、私は姿勢をただした。
目の前には、ポットと湯気をたてる紅茶が置かれている。贅沢にも、美人なメイドさんに支給してもらいながら、優雅なティータイムを勤しんでいるのだ。
これくらいのマナーなら、すでに自宅で習っているのでリラックスして紅茶を楽しめる。
「……何か御用でしょうか?」
自然と警戒心がMAX(死語?)になってしまう。
そんな私に、彼は時間があれば、足しげく通ってくるのだ。最近は、地がでてきている。タメ口になるのもあと少し、といったところだ。この王子は、きっと気にしないだろうが。
「他の国の王が君に会いたがっていたんだけど、丁重にお断りしといたよ」
「ちょっ……!」
人に何の断りもなく、何してくれているんだー!!
だいたい、私は断れるような身分でもないのだぞ! 鬼か!
思わず、身を乗りだしかけたところでストップがかかった。
王子は手を前に出し「とりあえず座る」と、座席を指すのである。
「で……、君は何故、他国の王族と親密なんだい? 君への使者は、今月で三人目だよ。おかしくないかい?」
王子の目が光る。
あー、また始まった。
彼の知りたがり病が。
……信じもしないクセに、そう思うと言えないのだ。
「お父上にお聞きになれば、よろしいのでは?」
私は説明を誤魔化し、すべてを王になすりつけた。
「……聞いても教えてくれないんだよ。だから、君に聞いてるのだろう? だいたい、父上と会う機会なんて君にはなかっただろう? どこで見かけたのか、さえ、教えてもらえないのは不自然だよね?」
夢のような、あの出来事はそう簡単には話せまい。頭のおかしい人認定されたくなければ。
現実には、私は実在していて、夢でも幻でもない。
そして、私の魔王的な役割も現実だろう。
ーーーーーー平和な日々が壊れたのは、私が王宮になれてきた矢先のことだった。
他国の戦争の兆しを感知し、教えてくれたのは王子だ。
攻められるのは『ココ』。
今回は、三国が連合軍らしい。まったく懲りていない。キッッッ……ツイお灸をすえる必要がある。




