さんじゅういち
Aさんは「作物がほしい」
Bさんは「国を大きくしたい」
Cさんは「鉱山がほしい」
目の前にいるのは、そんな我が儘を言うオッサン達である。
なんで、全員集めたんだ。カオスだよ。
しかも、あちこちで口喧嘩や殴りあいが勃発してる。夢だ、と思い込んでるような言葉もチラホラするし。
一昔前の国会中継を見ているようだ。
「ハナ、お前の意見を聞かせてやれ」
姿を見せない誰かさんの声が聞こえた。
仲良くしましょう、なんて効くと思っているんだろうか?
「必要悪でも作ればいいんじゃない? 魔王とか」
そうすれば、魔物に侵略されないように国同士の喧嘩もなくなる。
「馬鹿か! 別の意味で滅びるわ!」
確かに。
「じゃあ、協定を結ばせてお互いを見張ればいいんじゃないの? 私の世界じゃ、核を作らない、持たない、持ち込まない? いや、わかんないか。法を作って、秩序を保てるようにしてる」
「おお、そうだな。そうしよう」
なんて、私と彼だけが話し合いをしていた。
目の前にいる国の代表達は、殴りあいしか、していない。
「で? どうするの? 目の前の人達」
「……もう、どうでもよくなってくるな」
声は呆れている。
これは、私の出番かと手を打ち鳴らした。
「はい、はい! ちゅーもーく!」
半数がコチラを向く。
「早くしないと、こっそり町を滅ぼすよ!」神が。
全員がコチラを見た。
うん、これでいい。
場が静まり返ったところで、彼の声が聞こえてきた。
「今から、全員で協定を結んでもらう。内容は、戦争をしない。話し合いで解決するという公約だ。守らない場合は、そこのハナが世界を滅ぼす。後、ハナに手を出すのもなしだ、返り討ちにされるだろうが」
ええ!!
思いっきり魔王のようなポジションに当てはめられ、私の背中から冷や汗が流れた。
「ハナ、紙に名前を書かせろ」
ヒラリと目の前に紙が落ちてくる。
私は、それを受け取り、いつの間にか床にあったペンを手に取る。
王達は、鋭い目付きでコチラを見ていた。
ソンな役回りだ。給料をもらいたいぐらいである。
なんやかんや、あったものの……結局、王達は署名をした。
そして、私が恨まれただろう。たぶん。
すごい被害である。他国に、入国禁止とかにされたらどうしてくれるんだ。
「ハナに褒美をやろう」
彼は、そう言って全属性をくれた。
全くもって、不要の産物である。むしろ、災いの種だった。
今回、一番特をしたのは姿の見えないあの人だけだっただろう。




