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にじゅうご

まだ、まだダメだ。




私は、引き出せる全てを引き出したかった。


敵の情報が足りない。


どれほどの数がいるのか、すべて根絶やしにしてやらなければ。二度と戦争が起こらないぐらいに。


問題は、沢山の兵をどこから持ってきたのか、ということだ。


今まで、負けなかったのは神の思し召し? いや、違う。


技術だ。異世界人の技術によって、この国は支えられていたのではないだろうか。


固くフタを閉じても、あがらえきれなかった?


時代が変わり、技術が発展した?


……錆びたフタは、もう意味のないモノになり果てたのではないだろうか。


時間が全てをくつがえしたのだろう。


鉱石だけじゃ足りない。


抑止力が必要……それになる覚悟はある。


でも、私が死ねばまた繰り返される。




「お嬢様、お嬢様……」


肩を揺さぶられて、目をうっすらと開ける。


窓から射し込む光は、赤く染まっていた。まるで血のようだ。


「じい。あなたなら、どう動きます? 圧倒的な人数を、どこから集めますか」


答えは、正直わかっていたのかもしれない。


相手は、一気にとりつぶそうとしてるのだ、この国を。


「……他国ですな」


まあ、そうだろう。


今まで、チャンスはあっただろう。でも、そのたびになんとか持ちこたえてきた、と。


「あの……、隣国以外から攻められたことは初めてなの?」


負ければ、周囲の国がよってたかってココのものを奪うだろう。人、土地、技術、なにもかも。


「……英雄が救ってくださいました。彼は、一人で国を盗れるでしょうな」


ほうほう、英雄が……って、本当にいたの?


私の目が疑わしげに見えたらしい。


「お嬢様も聞いたことがあるでしょう。この国が危機に陥ったとき、どこからともなく男が現れ、敵国の兵をしりぞけた、と」


ちょっとっ! それは、強すぎる! 反則じゃないの?


理性で叫ぶのだけは阻止して、私はじいの言葉を聞く。


「なにもかも規格外でしたな。全属性もちなど、その男以外いませんでしたから。何でも、異世界から呼ばれたなどと言っておりましたし、思い付くモノも斬新なことばかり」


あれ? もしかして……。


「じいや、会ったことがあるのですか?」

「ええ、子供の頃に」

「じゃあ、彼が魔法使っているところ見たことある?」

「はい」


じいは、過去を見るように遠い目をした。

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