にじゅういち
田舎に来てからの日々は、必死すぎて覚えてない。
工房の人達、友達、パパもママも、全てが王都にある。
私に力があれば、皆を守れるなどと大層なことは言わない。
「お願い。協力してください」
私は、自分についていた家人に協力を願い出た。
彼はレモンを食べたように、とても渋い顔をしていたけど結局は折れてくれた。結構なお年なのに申し訳ない。
私の魔法は、知識との融合だ。
火も、水も、風も、光も、闇も、ないのなら代わりのモノを考えればいい。
持ち上げたり、浮かせたり、それを動かしたり。出来ることには、限度があるけど協力な武器を作りたい。
魔力は、自信がある。木でも、岩でも、簡単に持ち上げられる。
多数の人間を、どうすれば無力にできるのか……。ヒントは、前世にあったのだ。
これなら、バレないと思い付いた。私とは、気付かれずに敵を葬りされる。
まずは、練習に豆を動かした。
うん、簡単に動く。
次は、沢山のモノを動かしてみる。
何百でも大丈夫。
でも、豆を岩に代えるとつらくなった。沢山の岩は厳しい。
必死に、沢山のモノを動かす訓練をした。
初めて、私が魔法を使うところを見た家人は、今にも泡を吹いて倒れそうになっていた。彼は、パパが子供の頃からいる。ごめんなさい、これが終わったら良い子にな(以外省略)
物を浮かすフライは、動かすことも可能だ。
さらに、軽いものなら簡単に動かせることがわかった。
それだけで、十分だった。
完成させるには。
私は、自分だけが使用できる魔法を手にいれた。ただ、危険すぎて使い勝手が悪すぎるのが難点だ。
「王都に帰ります。自力でも、かまいません」
馬車で一週間ほどの道のりを、ヒッチハイクしてでも帰ると、家人を説得した。
危うく軟禁されそうになったので「私だけが逃れれば、胸をはって貴族として生きていけません。弾圧されたときには、潔く身を引く覚悟です」と言ってみた。彼は、ひどく憔悴した表情になり、悲痛な顔で考えこんだ。ただ、貴族を辞めるぐらいで……と、思わなくもないけど大変なことらしい。
私としても、親しい人達のそばを離れたくなかったので仕方ない。
「……お嬢様なら、簡単に王都に帰ってしまいそうですし」
それは、今までの所業の数々を見てきたからこそ、という発言だった。思わず、クセで謝りそうになったけど、ここまで来ては負けられない。でも、ほんと申し訳ない。




