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にじゅう

いきなりだった。


きっかけは、アチラからなのか、こちらが原因なのかは知らないのだけど、戦争がまた始まった。


あれから、四年の月日が流れ、私は九歳になっている。


何はともあれ、私は魔法学科に入ることになっていたのだけど、開戦してすぐに引っ越しを余儀なくされた。


「って、ことらしいから仲良くしてくれた二人にプレゼント」


もしかして戦火に包まれるかもしれないので、日本刀と宝石を合体させた魔剣を作り出した。工房のオヤジに注文して、きちんとお金を出して作ったのだ。持ってるだけで、魔力を増幅してくれるというシロモノである。


これを、持ちながら陣に魔力を流すことは、だいぶ大変だけど、まあ訓練すれば出来なくはないと思う。ダメなら剣として使えばいい。


私は、剣に沢山の宝石を埋め込み、魔力を底上げして、さらに威力を上げている。使いこなせれば、便利だけど盗難が心配なので、見た目は少し古く見えるように加工した。抜いたら、カタナとバレるけど。


その密かに強化された剣……と言うより短剣だけど、ソレを渡してテアーとライに言う。


「一緒に行かない?」


べ、別に寂しいからというわけじゃない。


テアーは、呆れた表情でこちらを見ていて、ライには普通に「ごめん」と謝られた。


私は、少し悲しかったけど踵をかえした。


「またね」


サヨナラは、言わない。


王都は、今から戦火に包まれる恐れがある。




私が、だいぶ彼らから遠ざかったときのことだった。


「貴族としてのプライドはありませんのー!」


テアーが叫んで来る。だから、パパとママは私と一緒に引っ越さないのか、と頭の隅で考えた。


「すぐ戻ってくるよー! だから、待っててー!」


私も大きな声で返す。


「バカー! すぐ帰って来ないと許しませんわよ!」


うむ、酷い。


彼女の声は、心なしか歪んで聞こえた。


遠目に、ライがテアーを慰めているのが見える。私は、胸が痛くなったような気がした。


学園の上級生、魔法が使えるものは徴兵される。


子供が出るのは、最後の方になるだろう。


誰でも戦うのは恐い。


私が1人だけ、逃げるのは果たして許されるのか。


最近は、ずっと悩んでいたのだ。もしかしたら、私にも何か出来るのではないか、と。


爆弾を作るぐらいの知識はある。


でも、私は怖かったのだ。自分が転生者だとわかり、両親と友人が離れていくことが。

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