表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/43

じゅうなな

「よし、見繕ってやるよ」


などと言い出した彼は、正直別人のようだ。


手近にあるものじゃなく、沢山の道具が並べられた奥の奥から、銅色の繊細な装飾がされたキレイな短剣を渡された。


「お嬢ちゃんが持つなら、このくらいのモノじゃないと馬鹿にされるぜ」と言いながら、明らかに高そうな物を押し付けてくる。


押し売りだよ、お巡りさーん!


「無理です、無理です! お金がないですから、普通のやつでお願いします!」


所持金を見せて、必死に現状をアピールする。情けないが、まだ子供なのだから許されるだろう。


オヤジは、アゴに手をあてる。


「お貴族様なのに、金に困ってんのか?」


なんと言うことだ。お母様、お父様、ごめんなさい。ハナはきっと、良い子になりま……(以下省略)


貴族には、見栄とかプライドが大事なときもあるのだろう。家人や民に示しがつかないとか、そんな理由だったと思う。


「じゃあ、また今度……お金を持って出直します」


そう言って、逃げようとしたのだけど。。。


「ツケでいいぜ。お貴族様にツケなんざ、初めてだがな」


オヤジは、背筋が寒くなるような笑みを浮かべていた。それで、営業スマイルのつもりか!


「物を先にもらうなんて出来ません」

「金が先でもいいぜ」

「……」

「手付金は、もらうぞ。利子は一割でいい。お買い得だろ?」

「い、急いで必要なわけじゃ……」

「ここら辺は、少し物騒だから装備しといて損はない。孤児に金をスリ盗られたくなけりゃ買っときな。武器なら、アシがつきやすいから盗らねえだろう?」

「………………買います」


負けた。


どうやら、オヤジは商売上手でもあるようだ。


少し恨ましく彼を見ていると、彼は私の背をグローブのような手でバンバン叩きながら「安心しな! 品質は保証するぜ!」と言った。


「これは、この世に一つしかないシロモノだ。持ち手は繊細で、細身だから軽い。両刃じゃなく、小ガタナというらしいが強度は抜群だ」

「強度……ですか」


たしか、テレビで見たときは材料の鋼を熱して、水につけた後、固い部分と柔らかい部分にわけて、また熱してと折り畳んで、叩くという作業を何回か繰り返して……と、とても手間のかかる作業のように思えた。だって、レイピアだったら日本刀で折られてたよ。大きな剣と打ちあっても折れないし、本当スゴイと思う。


「いいのですか? 私は、まだ子供ですよ」


こんな大層な剣をもらっても、困るというか……払えない。どうやって、借金を減らせというんだ。うう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ