じゅうろく
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店が立ち並ぶ道を抜けると、いっきに風景もガラリとかわる。
うーん、次は何を作るべきか……。
思考しながら、武器やら防具やらを作っている工房の前をうろついていた。
学校から帰るときは、馬車で迎えが用意されているのだけど、たまにコッソリ町へ行っている。家人を待たせてしまうだろうけど、少しなら許されるだろう。
客層は騎士が多いのかと思いきや、小さな人影がチラホラと辺りを走っている。だから、私がいても違和感はない。
それに、魔術師は武器を使わないのだし、必要もない。それが一般的な考えだ。
本を読んでも、そこは詳しく書いていない。
だから、試してみるのもいいのかもしれない。なぜ、武器や防具を所持しないのか、を。
心配しすぎなのかも知れないけど、無属性のフライにでもしておこう。アレなら、バレにくいはずだ。
「すみませーん。ナイフを一つ買いたいのですが」
私が声をかけると、いかにも職人といった頑固そうなオヤジがあらわれた。
「ここは、工房だ。店に行け、と……言いたいところだが、今は停戦中だから売ってやるよ。暇だしな。欲しいのは、どんなヤツだ」
軽い口調とは逆に、威圧感が半端じゃない。まるで、犯罪を取り締まろうとしているマル暴の刑事のようだ。
「私でも扱えそうな物をお願いします」
そんなに多くはないけど、一応お金は持っている。お小遣いを貯めた分なのだけど、ナイフぐらいは買えるだろう。
家では、刃物なんて持たしてくれないだろうし、個人的に護身用の品が欲しかったというのもある。屋敷を抜け出すことも多いからだ。
「とりあえず、ついて来い」
武器屋のオヤジは、そう言って工房の奥へと歩いていった。
それを追いながら、私は熱い空気の中で緊張していた。
心配だ。オヤジは、無愛想で顔も厳つい。それだけじゃなく、まるで見定めるようにコチラを眺めまわしていた。
「お前ぐらいの年で、ナイフを買いたいと来るやつは……いるにはいるが、お貴族様がくるたあ珍しいこった」
ありゃ、バレてたのか。
私は今、比較的シンプルなドレスを着ているのだけど、男性なら気づかないと勝手に思っていた。ライが、そうだったからだ。
「いいじゃないですか。入り用なら、別に町に来て自分で買っても」
そう言うと、オヤジはいきなり吹き出した。
「違ぇねぇっ。ははっ」
なんだ、なんだ? 私は、あっけにとられたままポカンと彼を見つめた。




