じゅうご
緊張しながら、棒を手に取る。
真っ直ぐ立てた後、呪文を唱えて手を離すんだよね。
「アーシタ、テンキニナーアレッ!」
……ツッコまないぞ。ツッコんだら負けだ。
杖がコロンと倒れ、床に転がっていく。後は、もうすることがないらしい。
しばらくすると、何かの声が聞こえてきた。
『テンコウハ、ハレ。ノチニ、アメ。ツイデ、キョウフウ。クモノアイダカラ、ヒカリ、ガサシコミ、ノチ、クモルデショウ」
女の人なのか、男の人なのか、中性的な音が響く。
いやいや……なぜ、朝のお天気お姉さん風になのか。
「うん、聞かなかったことにしよう」
私の言葉で我にかえったのか、三人がこっちを向いた。……視線が痛いように思う。
「驚かないんですの?」
テアーがポツリとつぶやいた。三人の様子がどこか可笑しい。
「何? 何かおかしい?」
ライは、口開けたままだし。家人の方は、無表情だ。
「ライ?」
目の前で手をふると、彼も正気に戻った。
「スゴいね! ビックリしたよ!」
ライは興奮したように、手をグーの形にして上下にふった。
「だから、何が? 結局、私の属性は何だったの?」
誰か説明してほしい。
私は、首を傾げて三人を見回した。
「そのまんまですわ」
「さっきの聞いてなかったの?」
「全てです」
全員が一斉に喋り始めた。
「つまり?」
今一つ、ピンとこなくて肩をすくめる。掌を上にむけて、首を左右に傾けた。
「「「全部です!」わ」だよ」
う、十分伝わった。
後は、ギャアギャア騒いでいたけど私は、心の中で冷静に『これは使える』と考えいた。
魔法を極めて、将来は金持ちになるのだ。
伊坂五郎を越えるモノを考えて、魔術を極めて、両親に楽させてあげたい。私も将来の不安をなくしたい。
だけど、今は大人しくしていないとマズイのだ。
だから、真剣に三人を見つめた。
「内緒にしてね。バレたくないから」
それに対して、様々な答えがかえってきた。
「なんで?」と、真っ直ぐに聞いてきたのはライ、「納得できませんわ」と訝しげな顔をしたのはテアー、「お嬢様に従います」と言ったのは家人だ。
それでも、約束させなくてはいけない。魔法書の言葉が頭をめぐる。
「お願いっ」
深く頭を下げ、泣き落としを開始した。




