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剣と魔法の物語  作者: 神楽風月
ファフニール編
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第86話 災厄のシナリオ

 ある心理学者の話によると、子供を持つ母親たちの集まり――いわゆる「ママの会」の格付けにおいて、最も優秀な成績を残すのは「どれだけ非日常を演出できるか」なんだそうだ。

 例えばある日、「子供のお誕生日会」があったとしよう。

 この時に親が持ってくるもので格が高いとされているのは「高級なケーキ」よりも「限定品ないしはお取り寄せの豆腐」なんだ。

 たとえ値段が同じであっても、限定品という「プレミア感」もしくは「お取り寄せ」という「生活(にちじょう)ではまずお目にかかれないもの」の価値こそ親の価値であり、それを演出する親の勝ちなのだ。

 ――当然ながら、子供の趣味主義趣向を明後日に置いてきたような話でもある。

「あと子供への習い事も基本的に親のエゴである、という話も聞くね。自分が俳優になれなかった、じゃぁ子供を俳優にしよう、という感じ。心理学でいうところの投影という心理だね」

 投影、と説明すると少しばかり分かり辛いかもしれない。

「思い切って噛み砕いて言うならば、感情移入、と説明するほうがしっくりくるかもね。誰でもやっているものだ。小説や、ドラマでもいい。主人公みたいなことは出来ないけれど、この主人公みたいになってみたい、だとか……嫌いな役に対して嫌いと感じるようにね」

 そういう意味では、今ここに居ないヘルフリートくんがそうだったような勇者様系、李儒さんの軍師願望は投影の典型例になる。


「――で? つまり、レンさんは何が言いたいのでしょうか?」


 典型例の李儒さんが質問をしてくる。

 当然か。急にこんな脈絡のない話をするのだから、当然ながら意図があると考えるのは自然な事だと思う。

「既にゲームという非日常なんだから、もうこれ以上の非日常は嫌だということさ!」

「子供みたいに屁理屈をこねないでください!」

「屁理屈じゃない、ちゃんと理路整然とした理屈じゃないか! もう私は普通に本を読んで過ごすんだ! ゲーム(こっち)でもリアル(あっち)でも! 私は絶対にこの席を離れないよ!! 本屋や図書館ぐらいには行くけどね!!」

「訳の分からないことを言わないでください」

 私は店主の居ないランディの店の、いつもの私の特等席――カウンター席のすみっこのほうにかじりつく勢いで語る。

「私にくる仕事なんてどうせ軍師働きさ! 返上したくとも閣下は許さないし周りがさせてくれない! なにが貴族のパーティだ! 何が戦術論の講義だ! 貴族制なんて廃れてしまえばいい! そして勘違いを捨てて、さっさと私を普通の女の子に戻してくれ!!」

 ――それは今朝の出来事。

 私がログインすると、アパートのドアに一通の手紙が挟まっていたんだ。まぁ、ログインしていないとコールもできないのだから当然だよね。

 赤い封蝋に綺麗な印璽(いんじ)が押され、まさしく「王族貴族の手紙」といった様相のそれを開封して読めば、前略もなにもなくいきなり「レンちゃんへ」から始まる随分とフランクな貴族のパーティへの出席要請、そしてなぜか「せっかくなので兵法論を一つぶってはくれまいか?」の文言まで添えてある。

 貴族制でありなおかつ街を回すという意味では、こういったイベントは政治的な意味もあったりするんだろうとは想像に難くない。でもそんな閣下にとってはいつものイベントだとしても、私にとってはまさに寝耳に水の出来事だった。

「あの時は仕方がないとはいえ男爵(バロネス)にされたのが今になって牙を剥いてやってくるとか……!」

「というか、こういうイベントがあることぐらい想像できるでしょうに……迂闊にも程があるというか、レンさんらしくないというか」

「うやむやのうちに押し付けられたんだよ! 私は、元々閣下と普通に話しても別に問題ない立場という意味合いなだけだってしか説明されてない!」

「確かにそうかもしれませんし、それにこの手紙は単なる参加するかどうかの確認じゃないですか……何をそんなに意固地になっているんですか?」

 李儒さんは私の隣で、手紙に何度も目を通しながらそんな事を言う。戦争後の余韻でのんびりと毎日を読書などで過ごしているのだから、時間的にも問題がない。だからこそ不思議に思うんだろうね。

 でも、

「君はあのタヌキを知らないからそう言えるんだよ……!」

「卑しくも帝王閣下をタヌキ呼ばわりはダメなんじゃないでしょうか? ――まぁ、卑しくも、なんて自分で言っておきながら『それはない』と感じますが」

「じゃぁタヌキで十分さ」

「……ロールプレイ上、というよりは人として褒められたものじゃないですけどね」

「そんなことは関係ないね」

 元々男爵位やら軍師の称号やらは屁理屈でご恩と奉仕を成り立たせ、強引に付けられたものだ。

 ――さて、そんな閣下(タヌキ)が私が断った時のことを考えていない、なんてことがあるだろうか? いや、ない。

 考えてないのであれば、なんでわざわざ私が断りそうな「兵法をぶってはくれまいか?」なんて文言を添えるだろうか? その一部を断ったところで、どうせまた変なことに巻き込まれる。そうに決まっている。

「ふふっ……私はムギさんで学んだんだよ……人の言葉には裏がある、ってね!」

「人それを疑心暗鬼と言います」

「そして私はまだ二ヶ月も経っていないただの初心者だ! 初心者返上させられたけどね!!」

「ご冗談を。あなたが自分を初心者と呼ぶのは実にウソくさいです。……ああ、何かの策で?」

「――どうして誰も分かってくれないんだっ!」

 この場にランディが居てくれたのなら……いや、せめてクロウでもいい。アリスやアスールは絶対に「それはない」と言うから論外だけれども、あの二人なら、特にランディだったらきっと私の事を分かってくれるハズだ。

 この場に居るのが、私と李儒さんだけなのが惜しまれる。

「ともかく、贅沢ばかり言わないでください。私の事を諸葛亮孔明(ひきょうもの)呼ばわりしたのなら、今のあなたはまさに司馬懿仲達(ひきこもり)じゃ……ああ、そういえば篭城戦し(ひきこもっ)ていましたね。すみません」

「失礼な! それしか取れる戦術を用意してくれなかっただけじゃないか!!」

「別段、意図したものではありません」

「ふん、どうだか!」

 司馬懿(しばい)、字は仲達(ちゅうたつ)諡号(しごう)は宣王なので、司馬宣王とも呼ばれている。

 彼は曹操からの「仕官せよ」という話を「病気なので」と断り続け、曹操が刺客に「驚いて動いたら殺せ」と命令し送り出してもずっと臥せたままで通し、最終的に「もうとっ捕まえて連れて来い」と曹操の命令もあってようやく折れたという筋金入りの引き篭もりだ。

 ――実際は漢朝の命運が尽きそうだ、と感じ取って曹操に仕官しないようにしていただけらしいけどね。あてつけのように杖をついて曹操と面会したという話もあるし。

 そして三国志後期に魏国で活躍した人物で、様々な作品群では孔明のライバル的な位置づけにされている軍師だ。

 ――でも実際は軍師というより将軍的な活躍をしていて、しかも孔明とは違い執政的な立場には決して着かなかった。なのでライバルと呼ぶにはいささか苦しいところもあると私は思う。

「そういえば司馬懿なんですが、苛烈な性格であったが感情を隠すのがうまくて、たとえ怒っていても表面では穏やかだったと言いますね。あまり感情を見せないレンさんにぴったりじゃないですか」

「君は人をバカにしているのかい!? 私のどこが感情表現が乏しいと!!」

「……そういうところですよ?」

 李儒さんは眉をひそめて「何を言っているんだ」といった顔をする。

 訳が分からないよ。

(……というかこの子、人の顔色を伺うのが下手なんじゃないのかな? 私は両親から顔色を隠すのが下手だって言われるくらいなのに)

 そのせいで人付き合いに失敗して、自分が作った自分による自分の軍隊なんて突飛な発想にたどり着いたんだろう……そう思うと、途端に可哀想な子に見えてしまうな。

(まぁ今は私のことを無理やり連れ出そうとする悪の手先にしか見えないけどね!)

 いや、この場合は曹操の刺客としておくべきかもしれない。

 話の流れ的に。

「ともかく、これは私達のギルドアリス・イン・ネバーランドにも言っていない。知っているのは私と李儒さん、そしてこれを出したタヌキらだ」

「……で?」

「李儒さんと一緒に対策会議を行いたいと思う」

「……だからこんな中途半端な時間帯に呼び出した訳ですか?」

 今は午前中の、しかも一般的なプレイヤーならば狩りをしたり自分の仕事をこなしたりとしている真っ最中の時間帯だ。今日の行動を考えるような早い時間でもなく、昼食が近いから拠点に戻ってくるような遅い時間でもなく、本当に中途半端な時間だ。

 ランディとアスールはまだ旅行から帰ってきていないから居ないのは当然として、そんな時間帯だからこそクロウたちは居ない。

 ヘルフリートくんとキリヤちゃんも、久しぶりにログインしたお父さんや軍曹たちと一緒に依頼をこなしに出ているぐらい、本当に中途半端な時間帯だ。

 ――こんな時間にこんなことをやっているのは、徹夜明け組だとか、接客業をメインにやっているプレイヤーぐらいなものだろう。

「帰っていいですか? 今日の仕事がありますので」

「君は実に非情な人間だね!」

「ええ、自称初心者を三倍近くの戦力で囲み、あまつさえ秘密裏に敵首脳を拉致し公開処刑しようなどと考える程度には、非情な人間ですね」

 ランディの居ない間の、最後の切り札として期待していた相談相手が去ろうと立ち上がる。

 なんと言うことだろう……ランディならきっと、ここできちんとそれなりに相談にのってくれるというのに、

(私は一体どうしたらいいんだい? 答えてくれよ、ランディ……)

 彼がいないだけでこんなにも心細くなるだなんて、思ってもみなかった――そう、実感していた時だ。李儒さんが帰る寸前のところで、福音のように、からんからんとドアベルが鳴らされ――

「邪魔をする」

「――なんだ、タロスか」

 しかしてそのドアベルは、私にとって鎮魂の鐘であったと悟ってしまうのだった。

「……失礼だな。重大な事件が起きたというのに」

「はいはい、分かっているよ……ゲリュオーンがどうの、といった話だろう?」

「いや、違う……いや違わないのか? まぁどちらでもいい」

 タロスは、椅子から立ち上がったまま、店を出て行き損ねた李儒さんに目をやる。

「……人は多いほうがいいな。お前も手伝え」

「は、え?」

「暗殺ギルドの秘匿技術が流出している。時は一刻を争うぞ、軍師」

 さして困ったような声でもなく、ただ淡々とその一言を告げた。



    [to be next scene...]



「ええっと……こちらは李儒さん。色々あって、今私が面倒を見ている子の一人になるね」

 改めて座らされた李儒さんをタロスに紹介する。

 ――なんでも、ただの常連か私の友達だと思っていたらしい。

「だいたいレンさんのせいですが」

 否定は出来ないので反論はしないでおき、紹介に徹することにする。

「……まだ小さいけれど、頭は回る。今でも私と同等ぐらいの軍師さ」

「称号は頂いておりませんけどね」

「……あと数年もすれば私よりも優れた軍師になるだろう、という逸材だよ」

「敵に塩を送られて喜ぶタチじゃありません」

「……」

 どうやら、今日呼び出したことについて色々と根に持っているらしい。

「ね、根は素直ないい子さ!」

「自称初心者のレンさんに戦争を仕掛けた挙句、三倍程度の戦力で囲って袋叩きにしようとしたり、戦争が始まる前に拉致して公開処刑しようとした程度には素直ですね」

「……今日は機嫌が悪いようだけどね」

「ええ、くだらないことで時間をとらされましたからね」

 さっきから言葉の端々がいちいち刺々しい。

 ――そんなに怒らなくてもいいじゃないか、相談相手として最適な人間は、君しかいなかったんだからさ……。

「そしてこちらはタロス。まぁ……手広くやっている人だよ」

「知っています。身辺調査はある程度行っていたので」

 なにもそんな刺々しい言い方をしなくてもいいじゃないかと思う。

「私も見た事はある。連携訓練も行っていない烏合の衆を必死に型にはめようとしていた滑稽な軍師もどきの話は、今でも笑いの種だ」

 ……ここでそんな爆弾を投下するバカがいるかい!?

「レンさん、私、この人は生理的に受け付けません」

「奇しくも同意権だ。虫唾が走る」

「――どうしてそんなに仲が悪いかな!?」

 耐え切れなくなって、私は思わず怒鳴り声を上げてしまった。

「ただリボルバー作成の依頼をしただけなのに、訳の分からない理屈で強引に契約破棄されてしまいましたので」

「それはお前が魂のない虚飾の王女だったからだ」

「……私は気持ちよく依頼を受けて欲しいと思っただけです。嘘も方便というでしょう?」

「嘘は泥棒の始まり、とも言うがな」

「――くだらないことを延々と言い合うな。済んだことはお互い水に流せ、さもないとここで≪エクスプロージョン≫を炸裂させる。五秒以内だ」

 普段から穏やかな私だって、堪忍袋の緒が切れる時だってある。

 さっさと詠唱体勢に入った私を見るや、二人の顔色がさぁっと青くなっていくのが分かった。

 でも実際に言葉を聞くまではカウントをやめてはならない。人は時として、妥協してはならないこともあるんだ。

「五」

「~~~~っ!?」

「い、一時の感情に流されるのは科学者として確かにダメだな! うむ!」

「四」

「いいえこちらこそそんな!」

「三」

「だから、なんだ」

「二」

「ええ、はい」

「一」

「あの時はすまなかった!」

「≪エクス――」

「ごめんなさい!」

「――……分かればいいんだよ。うん、分かれば」

 私は魔導書を閉じる、が、しまわない。

 人は時として、武力を背景にした仲裁も必要なんだ。

 私はあの戦争を通して、色々と賢くなったよ……うん、人を騙すことや戦争(ケンカ)はよくないことだ。

「さて……何の何が流出して、何が大変なんだって?」

 私の聞き違い出なければ、暗殺ギルドの秘匿技術の流出、だったはずだ。

 ――確かならば色々と使える。そう、主に閣下の話を断る都合のいい口実として。

「暗殺ギルドの、秘匿技術の流出だ……お父さん軍曹がログインしていたのが助かった。今はヘルフリートおよびキリヤの協力を得つつ、暗殺ギルドで対応の手伝いをしてもらっている」

「軽率すぎる。そんな事をしたら私達のギルドが暗殺ギルドの下部組織みたいな扱いになるんじゃないのかい?」

「ところがそういう話ではない。そして手伝いに行ったのはお父さんと軍曹の職業病のようなものだ。確かに軽率だったし、私の独断も入ってしまった事は謝るが」

 お父さんは確か警察官で、軍曹は軍人――じゃない、自衛隊だったね。

 つまり……そういった職業の人の体が思わず動いてしまうほどには緊急事態だ、ということなのか。

「――申し訳ありませんが、私にはよく分かりません。何が問題なんですか?」

「ふむ……私の事情を知らない者には少々理解し辛いか」

 タロスは顎を押さえ、しばし考える。

「ゲリュオーン計画。というのは知っているか?」

「あの夢だとか浪漫だとかくだら……いえ、産ぱ……とにかく、そういうモノでしたっけ?」

「言いかけたのは水に流そう……軍師が怖いからな」

「私は別に怖くない」

「そ、そうだな……うむ、まぁ、リアリストが多いと言われる女にはまず理解しづらいものだろう。そう思ってしまうのも仕方があるまい」

「寛大な心に大変感謝します」

 うん、素直に謝るという姿勢は大変重要だ。

「類似のものに、クロウを引き入れるためのケイローン計画なども企画しているが、まぁ今回はさほど……いや、若干ながら関わっているな」

「――緊急事態ならもっと率直に言ったらどうだい?」

「む、確かにそうだ……とにかく、私は巨大ロボットの作成を行い、そのついでに、不本意ながらも暗殺ギルドの持つゴーレム用の巨大鎧の製作を行っているのは分かるな?」

「ええ、まぁその筋には有名な話ですから」

「流出してしまったのはファフニール計画だ」

 邪竜ファフニール。

 北欧神話ではシグルスが魔剣グラムによって殺した、毒を吐く黄金を抱え込む竜。ニーベルゲンの指輪と若干ながら混同されているが、主にシグルスの呼び方がジークフリートへと変わるといったようなものだけで、大まかなあらすじは変わらない。

「コレだけは人型をしていない。単独での戦闘能力も併せ持つ機動要塞の開発計画だ」

「……あの、それだけ、でしょうか?」

「それだけで済めばいいのだがな……単独での戦闘能力は理論上ドラゴンに(・・・・・)匹敵する(・・・・)

「ドラッ――!?」

「当然だな。機動要塞(・・)ゆえ単純に質量が巨大だ、それを支えるのだから必然、頑丈に作られる。あとは、そうだな……それの主動力となっている内燃機関に、燃料の精製技術。どうでもいいオマケとして雷管(・・)の技術もなくなったな」

「雷管だって!?」

 そんなものがあったのなら、どうしてあの時使ってくれなかったんだ! しかもオマケ扱いだなんて――そんな言葉を飲み込んで、

「それは、もしかして、普通に作れたりするのかい?」

「何を馬鹿なことを言っているんだ? 現実(リアル)の技術をこちらに輸入しているのだから、当然作れるに決まっているだろう?」

 ――これは確かにお父さんや軍曹が動く。

「……何で、作ったんだい?」

「暗殺ギルドへの技術提供が、いわゆる私の主な仕事だからな。手軽な突撃銃(アサルトライフル)を考えた場合、雷管は必要なものだ。まぁ、雷管に使う薬品などは別の人間が作ったものだし、出回るのも時間の問題……ではあったのだがな。なんやかんやと暗殺ギルドのほうが潰しまわって、技術独占を行っていたようだな。現状、低コストで連射できてしまう銃は凶悪すぎるのだから」

 その上で機密扱い。

 ――横暴だけど、なるほど、近代化兵器による世界観やゲームバランスの崩壊を未然に防ぐ意味合いもあったのか。

「まぁ、それなりの設備がなければ精製できんものだし、どうでもいい技術だな」

「どうでもよくないよ!?」

 認識のズレがあるような気がするけれど……つまりそれなりの設備さえあれば誰だって作れるということなのだ。

「……タロスさんは、バカなんですね?」

「失礼な。これでも技術者として、地方ローカルテレビで紹介されたことがある程度には優秀であると自負している」

 ――よし、このバカは放っておこう。

「時は一刻を争う、というのもあながち間違いじゃないのは確かだ。急いでお父さんたちと合流しよう――李儒さんも手伝ってくれ」

 この災厄のシナリオにあたって、使える人間は多いほうがいいのだから。

 ちなみに、ファフニールにした理由としては「技術という名の黄金を抱え込んでいるから」という単純なものです。


 すごいぞー、つよいぞー、おおきいぞー。




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