第70話 突然のピンチ
「――“ウィリアム・テルに気をつけろ。奴はお前の頭を狙っているぞ”?」
私はオウム返しに、ムギさんの言葉を繰り返した。
「そー、初心者さんの皮をかぶったベテランさんを見つける、魔法の合言葉~」
「なるほど……」
初心者を見守るために、こっそりとベテランを送り込んでいるのか。
――署名した後、一つのスキルが三十レベルまでという制限によるハンディとして、ロープで縛られることとなった。
実際に草原でこんなことをやっていれば、いささかアレな感じに見えること請け合いだね。
「ギルドとしては参加したことがないから、ちゃんとした説明なんてできなかったから~。これがせめてもの贈り物~」
確かに、レベル制限があることぐらいしか教えられていない。そして私は、実は締め切りギリギリの参加だったらしい。残念ながらスキルを変更することもできない。
――まぁ、元々変更する気なんてない。
だから今、大人しく縛られているんだろうけどね。
「なんと答えてくれるんですか?」
「んふふ、内緒~。でも合言葉を使えるのは一回こっきりだからね?」
「一度しか協力してくれないんですか?」
「ううん、ちゃんと見つけたらずっと手伝ってくれるよ? でもその合言葉を、違う人に使った瞬間――というわけなのだよ~。最初からだと、間違いなく初心者脱却の障害になっちゃうしね~」
「なるほど……」
使いたければ、見極めろ、ということなんだろうね。
「あとは、自分から話しかける練習~」
「自分から? 話しかける?」
「初心者って、意外と穴に陥りやすいのよ~。オンラインゲームって、結局は人と人との会話と、協力だから~……レンちゃん、無表情だから勘違いされやすそうだし」
「えっ?」
「えっ?」
私は、顔に出やすいタイプのはず、なんだけれどな……?
「……まぁ、ともかく~! これで完成~! ちなみに負けたときに全部失うと嫌だと思うから、貴重品は預かっておくね?」
「あ、はい。よろしくお願いします」
「ランちゃんの店においておくから――あ、馬車が来たみたい~!」
私は、ムギさんが指差したほうを向いた。
「……なんだか物々しいですね」
「なんでだろ~ね~?」
ムギさんはニコニコと笑いながらだけれども、実に不思議そうな、そんな複雑な顔をした。
「まぁ、気分から盛り上げていこうってことじゃないかな~?」
「ああ、なるほど。士気は重要ですからね」
士気が低いと戦いが不利になる。と言えばいまいち理解できないだろうけれども、テンションが低いと集中できない、と言い方を変えれば分かりやすいかもしれない。
つまりは今からテンションを上げていこう、ということなんだろうね。
「それじゃぁ頑張ってね~?」
「わかりました。精一杯頑張ってきます」
私の目の前に馬車が止まる。見たことのある老人が座っているけれど気にしないでおこう。多分、こんなに分かりやすい相手が協力者なわけがない。
御者台に座る人の「乗れ」という手短な言葉で、私は馬車に乗り込んだ。
――これから後悔することになるとも知らずに。
[to be next scene...]
「いやぁ、運が悪かったの? レンちゃんや」
ガタゴトと揺れる馬車の、荷台に四角い箱をただ乗せただけのような長イスに座らされた状態のまま、私はその老人から声をかけられた。
レベル制限によるハンディとして両手は拘束されたままだ。特に抵抗するつもりは無かったんだけれども……ムギさんは心配性で、そしてムギさんはロープを扱うのは得意らしい――まぁ、趣味的に考えれば当然の事かな。
さすがに言葉にもできないような恥ずかしい縛り方にはされていない。魔導書が使えないよう、後ろ手に縛られている状態だ。
手首だけ、というわけではない。手首と両腕の真ん中あたり、そして首にロープがまわされている。後ろから見れば、きっと綺麗な十文字に見えるだろうね。
――もっとも、魔導書自体をムギさんから取り上げられているせいで、どうしようもないんだけれども。
「……ところで何をやっているんですか? 閣下」
「閣下ではない!」
「いや、変装したつもりだろうけれど……どう見ても閣下じゃないかな?」
ただ服装が、とても若々しいアロハにジーンズといういでたちに変わっている。男性は一定の年齢を超えたとき、かえって若々しい服装が似合うと言うことの典型例というところかな。
しかもなぜかサングラスをかけているけれども……変装のつもりだろうか? 派手すぎて、見ただけで分かってしまう。
「遊び人のかっちゃんである!」
説得力のある服装だ。
が、説得力がないね。
「君は景元か何かかい?」
「……誰じゃ? それ」
「江戸時代の旗本で、天保年間に江戸北町奉行、後に南町奉行を務めた人物。幼名は通之進、通称は金四郎で……」
「おお! 遠山の金さんか! よく見ておったぞ! 実は水戸黄門や暴れん坊将軍よりも好きである!」
閣下――ではないと言い張っている“遊び人のかっちゃん”はとても喜んでいる。
「おい、うるさいぞ囚人ども!」
囚人ども!
今、御者が私達の事を囚人と呼んだよ!?
――私、今からギルド間の戦争に行くんだよね? 傭兵というか、知恵袋という名の足手まといとして。
「おお、すまんのぅ……歳をとるとどうもボケが始まってのぅ。のぅ、ここはどこかいの?」
「嘘をつくなっ! それにっ! 閣下がっ! 王宮からっ! 抜け出すのはっ! いつものことじゃねぇかっ!」
御者が、金切り声にも似た怒声を張り上げる。
「……逃げ出してきたのかい?」
「だーって、仕事が多すぎて嫌になっちゃったんじゃもん!」
「もん、って……」
「第一、儂がいなくても回るしー? 息子や孫のほうが優秀じゃしー? 儂、いる意味がないんじゃなかろうか?」
……なんで私は閣下の愚痴を聞かなきゃいけないんだろうね?
あと、今は設定上、帝王閣下じゃなくて遊び人のかっちゃんじゃなかったんだろうか?
「帝王閣下がそんなんだからクーデターが起こるんだよ!」
ごもっとも。
「貴様を捕まえるのにどれだけ時間がかかったか分かっているのか! おかげで馬車の出発時刻が送れたじゃないか!」
……ん?
「ということは、閣下も参加者かい?」
「ああそう――あ、いや、儂は帝王の閣下などではない! 遊び人のかっちゃんである!」
「いや、今更すぎるんじゃないかなぁ……?」
「今は遊び人のかっちゃんである! 異議は認めん!」
「ああ、そうかい……」
頭を抱えたい、でも頭を抱えられるような状態じゃないのが歯がゆいね……。
「しかし、遠山の金さんなどよく知っておるのぉ。古い時代劇であるというのに……いや、知っていて当然であるか。有名であるからの。何度か再放送されて――」
「テレビのほうは見たことはないなぁ……陣出達朗の時代小説に『遠山の金さん』というシリーズがあってね? いわゆる原作小説なんだけれども」
「……左様か」
ちなみにリアルでの私の本棚に飾ってあるものだ。
母方の祖父が存命中だったころに貰った、大切な贈り物だ。私が生まれる前に出版された文庫本であり、しかも中古として購入したためかもうかなりボロボロだった。それを子供ながら何とかしたくて、補修用の道具や資材を当時信じていたフリをしていたサンタさんにお願いして父に買ってもらった覚えがある。
――今でもたまに読み返すけれども、あれはいい作品だ。
「ちなみにオマージュした作品の中には結城恭介の『遠山桜宇宙帖 奴の名はゴールド』というのがあって……」
ちなみにこれも持っている。こちらは父が、私にとっての祖父から譲り受けたものだという……両親のなれそめが遠山金四郎景元を題材にした小説だというのが、なんとも面白い話だよ。
やっぱり血は争えないということだろうね。
「……白黒テレビが登場してからはずっと趣味としていた儂としてはの、そういう夢を壊すような話はよして欲しいんじゃが?」
「そういえば『テレビ離れ』という言葉があって、テレビを趣味にするまたは長時間視聴する人は仕事に充足感がなく生活態度が受動的になりやすいと言われているね」
「……レンちゃんや? いつになく酷くないかの?」
「帝王閣下がこんなところにまで遊びに来た報いじゃないのかな?」
「――というか、さっさと状況を説明してやれ! この帝王閣下!」
御者の人が罵倒しながらも話を先へ進めようとする。
「俺だってテメェ以外を囚人呼ばわりしたくねぇのに、彼女まで囚人呼ばわりされて可哀想だろうが!」
「確かにそうであるが……愛国心はどこへ行ったんじゃろうなぁ……?」
「御者さんは、帝都に住んでいるのかい?」
「ああ……」
「……お気の毒に」
「なに、気にすることはない。いつもの事だ……残念な事にな」
いつも、なのか……。
「ところで、こうやって縛られてしまっているのはちゃんと理解している。それと、私の魔導書を取り上げられたのもね……でもなんで私は囚人呼ばわりされながら護送されているんだい?」
馬車の周りには、足元まで覆えるような大仰なカイトシールドと、幅広の片手剣、そして鋼鉄製の金属鎧にバケツのようなバレルヘルムで身を包んだ五名の兵たちが馬に乗って、周囲を警戒しているのだ。
さすがに御者は座ったり運転するのに邪魔なのか、大仰なカイトシールドは持っていない。しかし、御者台には漫画でしか見たことのないような、バスケットボールほどの巨大な鉄球にトゲの付いた、鎖の長いモーニングスターが置かれていた。
――時々、ごとり、と音を立てるそれに対して原始的な恐怖をかきたてられずにはいられない。コレを見て抵抗する相手は、よっぽどの度胸があるんだろうね。
「私は、戦争の軍師役として連れられているはずなんだけれども……さすがに色々と間違っている気はするし、少し物々しすぎやしないかな?」
このあたりの説明は閣下がしてくれるという話なのだろうけれども、さすがに雑談で時間が潰されてしまいそうだし、それに聞きたいことは山ほどある。
――まだ運ばれてそれほどの時間は経っていないが、馬車を用意しているということはそれなりに遠い場所へ行くことになるんだろう。
「まだ時間のかかる予定ではあるのであるが……レンちゃんがそういうならば仕方あるまい。軽く、説明しようではないか」
「お願いするよ。そして、さっさとこの縄とか解いて欲しいくらいさ。せめて本が読める程度にはね?」
「ダメだ。服まではさすがに脱がせられないから、スクロールの一枚でも隠し持たれていていてはこっちが危ないし、ルール上、逃がしたくはない」
「――ルール上、逃がしたくない?」
「そうだ、生かして捕まえた兵士などは自分達の陣営で使うこともできる……裏切るかどうかは、本人次第だが」
「将棋の駒みたいだね」
「実際はそのような感じだ。金で釣る、人質をとる……いろいろ方法はあるが、そうやって軍備を増強する方法もなくはない」
金で釣る、という方法の中には、おそらく傭兵のことも含まれているんだろうね。人質のほうは……復活ができるゲームだし、いまいち理解できない。
たぶん、そういうルールがあるんだろうね。
「――というか、説明は貴様の仕事だぞ、帝王閣下」
「ふむ、仕方あるまい……いや、とりあえず今の儂は遊び人のかっちゃんである!」
「はいはい、わかったわかった……」
前のほうで手を縛られたままの閣下――じゃなかった、今は遊び人のかっちゃんだったね。面倒くさいけれど、いちいち反論されては時間がもったいなさすぎる。
「まず、大まかな規則は単純明快。戦争に勝てばよい。もちろん、どのような手段を使ってもいいのだぞ?」
「……勝利条件がよく分からないな」
「要するに、王か玉を取れば良い。もちろん、詰ませてもよい……将棋と一緒であるな」
「いや、王将を取ればいいのは分かるけれども……」
仮に暗殺者が仕向けられて、首級を取ったとして――それを隠されては意味がないんじゃないだろうか?
将の死を隠すのは戦の習いだ。そうでなくとも、隊長の死すら士気に関わる。
そのあたりはどうなっているのだろう?
「王将を取る、として……仮に死亡が味方にしか知られていない、とする。その場合はどうするんだい?」
「ふむ……戦の習いじゃな」
かっちゃんは静かに目を閉じて、ほんの少しだけ考え込む。
「別に、続けてもよいのだ」
「続けてもいい、って……」
それじゃぁ終わりが見えない。
単なる潰しあい、どちらかが最後の一兵になるまでの殲滅戦じゃないか。
「さて……この言いだしっぺは、戦争に嫌気の差した儂の親友じゃったか。愚かしいことをしていると言うことを分かってもらうため――そのためにあえて戦争をするために、街を二つ作った」
「街を二つ!?」
その執念がすごい、としか言いようがない。
「今では単なる娯楽じゃよ。まったく嘆かわしい……草葉の影で泣いておろう」
「亡くなったのか……」
「――いや? 今日も元気にどこかの街でナンパでもしておろう。昔から放浪癖のある好色家でのぉ? 一週間に一度、ちゃんと会いに来るぞ? 毎回違う女を連れてな」
「ちょっと!?」
なんだろう、この台無し感は。
「染まってしまったのじゃろうなぁ、儂もアイツも、良くも悪くも……」
戦争することに対しての忌避感が、ほとんどなくなってしまっているという。
まさしく、ゲームだから、という理由がしっくり来る。
もしかしたら、最初の目的からずれていってしまった絶望が、私の知らないこの戦争の始まりを作った人を、そういう風に変えてしまったのかもしれない……ということにしておこう、うん。どうせ、他人の気持ちなんてよく分からないしね。
じゃないと、私の士気が下がる。
もっとも、最初から参加する気がほとんどないのだけれども。
「まぁ、勝利条件が違う事もあるがな。今回は、レンちゃんと儂の首、両方を取ることじゃなー」
「……ちょっと待って?」
今、なんと言ったんだろう?
私と、かっちゃんの首を取ればいい?
――そういえば御者さん、囚人だとか言ってたなぁ。
「ねぇ、ルール上逃がしたくない理由って……」
「ん? ああ……ギロチンか絞首台か、毒の杯を飲み干すか……いずれにしろ大々的にやらせてもらうつもりだが? 勝ったことを大きく知らしめるために」
「……」
わけが わからない よ?
なんで てきの ばしゃ に のせられて いるんだろう?
このまま では たたかう まえに わたしの たたかいは おわって しまう!
「じゃーから儂は逃げていたんじゃよ。味方の迎えが来るまでの」
「……その、戦場に行くまで猶予がある、ものかと」
「いや、参加した時点で、報酬がもらえるまでが戦争じゃから」
そういえば、書類に署名した気がする。
ムギさんが「これで全部の説明は終わり~」なんて言うから、文面は、読んでなかったけど――
「どうしてこうなった!」
――どうしてあの時私はきちんと依頼内容を読まなかったんだ!?
よく考えたら報酬額すらよく分かってない! 戦って勝つ、スキルレベルは一つにつき最大三十までだから、フルスロットの私は何も出来ない。だから私は作戦立案と軍を動かすだけ――その程度しか聞いていない!
「いや、逃げてたんじゃろ?」
「私は、迎えの馬車が来る、としか教えられていなかったよ!」
「またまた……冗談じゃろ?」
「冗談であったのなら、どれだけ嬉しいことか……」
「……運が、悪かった、の?」
「まったくもってその通りだよ!」
いきなり敵に売られてしまうところから始まるとか、ベリーハードを超えているんじゃないのかな?
――ムギさんはドS。
とりあえずそういうことが骨身に染みて分かった。
「まぁ、助かりたければ自力で何とかするんだな……もっとも、相手側にも話は伝わっているだろうが」
「儂がさんざん逃げ回ったおかげでの?」
「――帝王はさっさと帝都に帰れ! 今殺せないのが歯がゆいわ!」
「儂は帝王などではない! 遊び人のかっちゃんである!」
「うるせぇ! バレバレなんだよ! っていうか遠山の金さん気取りかっ!」
「その通り!」
「うぜええええええ!?」
うん、確かにウザい気がする。
仮に内閣総理大臣が「遊び人の○○」と言って、別人だと主張しながら遊びまわっていたらどうだろう?
つまりは、そういうことなんだろうね。
「というか、どうして閣下――じゃない、かっちゃんが参加しているんだい?」
「使った分は補填されたが、街の復興作業で帝都の国庫が少々まずい。特に教会がの。保証外のものもある故、働きに来た。ギルド間の戦争では、活躍して勝てば、かなり儲けられる一大興行なのじゃよ」
「……その節はどうも申し訳ない」
「気にするでない、よくやってくれたと褒めてつかわす……と思うぞ、帝王は」
なんか、今日は謝ってばかりのような気がする。
今までの行いのせいだろうね。
「つーか帝王が出稼ぎってどういう了見だよ。さっさと死んで国の仕事しに戻れよ……」
「嫌じゃ! 息苦しい! 堅苦しい!」
「お前そっちが本音かよ!!」
「それだけではない! 何が悲しゅうて復興作業中の者達の手を止めさせるような視察をせねばならんのだ! 士気? んなもん愛国心でなんとかせい! そして儂は帝王閣下という雲上人ではなくただの遊び人のかっちゃんである!」
「フルネームは?」
「閣下である!」
「隠す気ねぇだろテメェ!」
「と、いうか……私は助かるんだろうか?」
「儂ら、じゃろう?」
ドヤ顔でキメられてもなぁ……閣下にはさっさと戻って欲しいような、欲しくないような……。
「とりあえずちょっと黙っていて欲しいかな、閣――かっちゃんには。どうやって助かるかを考えなきゃいけないから」
「――言っておくが、死に戻りは禁止じゃぞ? 条約違反じゃ」
条約があるのか。
まぁ、確かに、無いと延々と戦うことになる羽目になってしまうしね。
「条約を破れば?」
「基本は罰金じゃな。近藤らが取り立てに来る」
「罰金か」
そして取り立てに来るのが暗殺ギルド……よく考えてみたら、何でもやってるな、あそこは。
近藤さん、そのうち過労死するんじゃないだろうか? ……ゲームの場合は電脳死というものになるのかな? SFチックだけれども。
「それに、死ねば報酬もなにもない……あ、いや、負ければ罰金がある」
「――ちょっと!?」
「何を驚く? 当たり前じゃろう? 報酬は温泉のように湧き出るものではないのだぞ?」
勝ち馬に乗るために、土壇場で裏切る人たちも出てきそうな話だ。
そして私も、勝てるほうの馬に乗りたいのだけれど……私の首が敗北条件の一つだから無理か。最初から負けるための準備を整えていたほうがいいかもしれないな。
「……参加している人達は、納得しているのかなぁ?」
「まぁ娯楽であるからな。参加者はほとんど博打感覚じゃろ。少数で勝てば、当然ながら莫大な報酬が得られる。逆に多数で勝てば、足が出ることもある……勝利という美酒を取る者達もいれば、金貨の湯船で溺れようとする者達もいる。どちらにせよ、納得済みじゃ」
「なるほど……」
話を聞けば、罰金は定額であるようだ。
「ちなみに、いくらぐらい?」
「その時によりけりじゃが……」
「今回は初心者支援ギルドで純粋培養されている初心者たちが参加しているから、一人五千ゴールドと聞いたぞ」
――変なところに放り込まれたあげく高額借金を背負うハメにならずに済むのは助かるね。
でも、初心者に対して一人五千は、さすがに高い気がするかな……まぁ、ギルドである程度は支援するんだろうけれども。
「そっちの兵力とかは?」
「――教えると思うか?」
「確かに、そうだね」
「けーち、けーち!」
「じゃぁお前んところの兵力教えろよ!」
「誰が教えようか?」
「そういうことだよ!」
ランディ……負け戦を味わって来いとか、言ったらしいけれど、その負け戦になることすらなく終わりそうなんだけれども?
――帰ったら絶対に意地悪してやる。
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