灰と草
最新エピソード掲載日:2026/02/25
魔法大戦が終わって七年。拭えない罪を抱えたまま、元術士兵のヴァルトは地上をひとり歩き続けていた。
廃墟の隅に、名前も素性もわからない子供がいた。
「ねえ、この花、名前なんていうの?」
理由もわからないまま置いていけず、ヴァルトは子供を連れて東へ向かう。道中で出会った女カイラ——失った家族の記録を書き残すことで生きている人間——も加わり、三人はかつての「アーカイブ都市」アルヴィスを目指す。
子供は名前のないものに名前をつけながら歩く。罪を抱えた男は答えられないまま隣を歩く。記録する女は何もかもを書き留める。
戦争が残した灰の中から草が芽吹くように、何もなかった場所に、少しずつ何かが積み重なっていく。
廃墟の隅に、名前も素性もわからない子供がいた。
「ねえ、この花、名前なんていうの?」
理由もわからないまま置いていけず、ヴァルトは子供を連れて東へ向かう。道中で出会った女カイラ——失った家族の記録を書き残すことで生きている人間——も加わり、三人はかつての「アーカイブ都市」アルヴィスを目指す。
子供は名前のないものに名前をつけながら歩く。罪を抱えた男は答えられないまま隣を歩く。記録する女は何もかもを書き留める。
戦争が残した灰の中から草が芽吹くように、何もなかった場所に、少しずつ何かが積み重なっていく。