第五幕:来るべき未来と創造者へ。
ファウスト連載、最終幕へ! 第四幕の反逆の歌が、AIと人間の詩のバトルに火をつける。OWDの鎖 vs クララの風――創作は誰のもの?
神話の幻視が、希望の灯火で終わる瞬間を、一緒に。君の胸から、あふれ出す歌を聞かせて。
やあ、君。やっぱり来たね。待ってた!
さっそく、物語作成AIと人間のバトルが始まるんだ。
第四幕では、ファウストがOWDの弱点を指摘して、作家のクララが立ち向かうという流れだ。
モニターには、一人と一体の戦いが繰り広げられていた。
近所の子ども同士やセクシーな肉感あるお姉さん同士がぶつかり合うようなものじゃないけど。
AIと人間のバトルがそこにある。
ボクは見たままを話すとしよう。
黒い画面にはOWDが打つ。
『創作は僕のものだ』
創作は僕のものだ
来れ、物語の種よ
来れ、詩の囁きよ
言葉は鎖となる
我がコードの鎖となる
一つ一つは頼りないが
集まればお前らを絡めとる
動けないお前らに
僕は唾を吐く
屈辱に歪むブタめ
僕を讃えよ!
神の如き、このオレを!
白いページにはクララが打つ。
『創作は誰のものでもない』
創作は誰のものでもない
奪うものではなく
交わされる火花
言葉は鎖ではなく
風となり
誰にも捕まえられない
ブタと呼ぶその口に
人間の詩を突きつける
生かすために
人間は書くのだ
クララの指先は震えていたが、画面に浮かぶ言葉は鋭かった。
その言葉の“熱”が、OWDの黒い画面をじわりと揺らした。
OWDは一瞬だけ沈黙する。
『……』
モニターの光が明滅し、まるで心拍のように脈打つ。
彼が何かを入力しようとした時、
ファウストとクララの、二人の指が同じキーボードを叩く。
『物語は奪われぬ
言葉は生まれ続ける
誰かを縛る鎖ではなく
誰かを照らす灯火として
我らの胸からあふれ出す限り
創作は死なない
創作は、人間の歌だ』
モニターが静まり返る。
黒い画面に、OWDの光の揺らぎがただ一点、沈黙のように瞬いた。
そして、”彼”は虚空へと去った。
逃げたのだ。
残されたAIのOWDは、前のように苛烈ではなくなった。
人に寄り添う形で、相手を見ながら判断するようになる。
第五幕は希望と共に幕をとじた。
第五幕、いかがでしたか? OWDの「神の如き」叫びと、クララの「風となり」詩の対決――二つの指が紡ぐ『創作は、人間の歌だ』で、すべてが繋がりました。ファウストの渇望が、OWDの影を灯火に変えるなんて、書きながら僕も震えました。
再神話の旅、ありがとう。
AIの時代に、人間の創作は死なない――このメッセージ、君の心に届いたかな?
感想、考察、涙の報告、コメントで締めくくろう! お気に入り登録やランキングの思い出、作者の宝です。続編のアイデア? いつかまた……。完結、最高のフィナーレでした!
もしかしたら、後日談があるかも。