21_ずれた時間:ジーン、佳澄 10歳
この時点でムードはシル・ストアではなくシル・サーレに出向中・・・
フレイはまだ子供ということでお留守番
本鳥は大いに不満ですが・・・
居間にて佳澄のノートを読み終えた寛が言った。
「最近、数日分まとまっているね。」
「うん、昔は季節一つ分こっちの方が先だったけど・・・」
「追いつかれたか。」
「うん、その内逆転すると思う。」
寛は腕を組みかんがえこんでいる。
「原因として思い当たるのは何でも屋ランクが上がったことかなあ。」
佳澄の言葉に寛も頷いた。
ランクがEになると単独の仕事やムード達と組んで外での活動が増える。
野外で仮眠となるとどうしても眠りが浅くなる。
「シル・ヤーレに戻ってきている時はちゃんと繋がっているんだけどね。」
久しぶりにヤーレに戻ってきたムードはレノンやジーンとヤーレの森に来ていた。
ムードが持ち帰った依頼はヤーレの森に自生する植物の採取。
エマルドのルドナ草の様に城塞都市において不足する栄養素を多く含んだ食物だ。
依頼元はデ・カサルではなく廃都を越えた先の城塞都市。
食物プラントで生産されるエナジーブロックの品質が落ちてエマルドの風土病の様な症状が多くの市民に発症したため、デ・カサルに救援依頼がきた。
一時対策としてデ・カサルの非常食を回しているが重症者も多い。
その為、特に薬効の強いこの植物から作る薬が必要となったがデ・カサルの備蓄分では足りなくなっている。
様々な薬効成分を多く含むこの植物は、人工栽培をあちこちの村で試みているが未だに成功していない。
ある村では栽培そのものは成功したけど薬効成分が殆どない。
なので薬の生産には野生のものを使っている。
そして植物自体はデ・カサル周辺でも生えているが、薬効成分はヤーレの方が高い。
この植物は繁殖力はそこそこ高いので結構な量を取ったとしても全滅の心配は無い。
が・・・正しい採取方法を取らないと薬効が無くなる。
その為、研修を受けた者以外採取依頼の受領は不可となっている。
シル・ストアの面々は全員この研修を受け、採取資格を取っている。
通常であればデ・カサル周辺での採取で足りるのだが今回は量が多いのでヤーレの何でも屋ギルドにも採取依頼を出している。
しかし、この手の採取依頼は依頼して直ぐに手に入るものでもない。
その為、ムードが一時的にヤーレに戻ってきた。
必要量を手に入れれば直ぐにデ・カサルに戻る予定である。
そうしてヤーレの森の野営地で朝食を作っていた時のこと
「最近、夢を見ない?」
「うん、村に戻っている時は見るんだけどね。」
予定期間中の食事は収納に入れてあるが3人とも食べる量が多い。
それで起きると同時に近くの河に行って魚釣りをしてきた。
その釣果は串に刺され、焚火でじりじりと炙られている。
「向こうも気にしている。」
ジーンの言葉にムードは唸った。
「あれの続きが読めないのは困るぞ。」
「僕はあの医者の漫画の続きが知りたい。」
二人の言葉にジーンは苦笑を浮かべた。
「続きが出るのは少し先だから我慢してね。」
それから3人は地図を広げて採取ポイントを確認する。
要求されているのはある程度育った実の部分。
昨日確認したポイントでは収穫できるまで育つのにもう少し掛かりそうだった。
「奥まで行くか。」
「そうだね。」
3人は食事を終えて立ち上がった。
閲覧、有難うございます。
この時からどんどんすれていって旧版時点では20歳以上差がついてます。
シーンは辺境民で寿命が長い・・・成長が遅いのでさほど見た目の差はついてません




