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シル・ストア~第0部 風の生まれるところ  作者:


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11/16

11_森の主 前編

モドラとゼンの出会いの話

佳澄がジーンが生まれる前の出来事です。


その場所に気が付いたのは結構前のことだった。

仕事でヤーレの森を抜けていた時、妙に静かな場所に出会った。

何か居ると思って見渡したものの不自然なものはない。

その時は時間にゆとりがなくそこそこに通り過ぎた。


それから何度かそこに通りかかることがある。

その場所は、一言で言えば主の住処。

他にも似たような場所があり、大抵近くに主が居る。

だがそこで主を見掛けたことはない。

大災害前のヤーレの申し子は樹齢1,000年を超える古木だったと聞いているがそれらしきものは無い。

その上、時々移動している。

前に主の住処の近くを通るなと思っていたら突然主の住処に出くわして焦った。

それからその周辺を通る時には気を付けていると泉を起点に2km位の範囲内のどこかにいるらしいことが分かってきた。

主の気配は各々全て違うのでゼンにはこの姿の見えない主の気配を間違えるの事はない。

この主、周囲の他の主より格が上のようで、ここの主と他の主が近付いた時、もう片方の主が一歩引いている気配があった。


この日、ゼンは瞑想をする為にこの場所にやってきた。

直前の仕事で自身の力不足から仲間を危険に晒してしまった。

幸い仲間の命に別状はなかったが色々思うことがあり、反省やらなにやら一度自分を見つめなおそうと思ってのことだ。

ヤーレの主ならばこちらが森のルールを守り大人しくしていれば襲ってくることはない。

主の住処近くならで力に満ち、襲ってくる獣も居ないので瞑想をするにはもってこいの場所である。


「さて、主様暫くこの場所をお借りします。」

そう言って団子を供え、泉の近くで座禅を組んだ。

眼を閉じて気を高める。

内と外の力に合わせ気を巡らせる。

様々な思い、記憶が浮かんでは消え浮かんでは消えを繰り返す。

そうやって頭が体が心がすっきりしたところで目を開けると供えた団子は消えていた・・・


ゼンはそれから何度となく供え物を持って瞑想をしに行った。

そんなある日、瞑想を終え、小腹が空いたので軽く食事をすることした。

収納から具沢山のクラムチャウダーと卵と野菜のサンドを出す。

「頂きます。」

手を合わせ、さあ食べようとしたところで視線を感じた。

周囲を見渡すが先程と変わりはない。

サンドイッチに手を伸ばすと視線を感じる。

思いついてサンドイッチを横に動かすと視線もそれに合わせて動いた。

「食べますか?」

そう言ってサンドイッチを一切れ供え物を置いた大きな木の葉の上に置いた。


『良いのか?』

頭の中に声が響く。

「はい、まだ他にもありますから。」

『そうか。有難く頂こう。』

近くの岩が動く、いや岩に擬態した何かが姿を見せた。

「エルダの眷属ですか?」

それは大きな蜥蜴?だった。

『エルダ?そんなものは知らん。我は我だ。』

閲覧、有難うございます。


この時点でモドラは名前無し。

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