表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
シル・ストア~第0部 風の生まれるところ  作者:


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/16

10_山葵騒動2

第一部の祝いの膳では今回見つけた山葵が使われています。

早朝に家を出て車で3時間、10時に観光農園についた。

防御重視で装甲車には正面の窓は狭く、側面、後部に窓が無いので圧迫感が強い。

その話をすると父は言う。

「それで事故が起きないのか?」

「センサーもあるし、ガイさんの異能?みたいので周囲が分かるから大丈夫みたい。」

そんな車に乗りたくないなという寛に佳澄も頷いた。

「私も嫌だな。外に出るまでどこにいるか分からないから。」

ガイさんのこと信じてない訳じゃないけどねと呟く。

「今朝聞いた話、沖縄平和記念公園の石碑みたいなものかな。」

寛の言葉に佳澄は首を傾げた。

「何それ?」

「沖縄戦の戦没者の名前を刻んだ石碑があるんだよ。

広い公園内に無数の石碑が並んでいてその一つ一つに死んだ人の名前が刻まれている。」

母親が言葉を引き継いだ。

「その石碑には日本人だけじゃなくて敵国だったアメリカ人や外国の人の名前も刻まれているそうよ。」

「そうなんだ。見てみたいな。」

「機会があったら見に行きましょうね。」

5人は事前に申し込んだ山葵取りの体験会場に向かった。


「・・・何でわざわざ不味くするのか・・・」

観光農園で売られていた山葵ソフトに山葵飴、お土産に買った様々な山葵風味のお菓子達。

それを思い出して気分が悪そうなジーンをムードは気遣う。

「おい?大丈夫か。」

「大丈夫、生山葵はそこまで辛くなった。」

その言葉にガイが声を掛ける。

「で、山葵とはどんなものか分かったか?」

「ああ、実際に生えているところで収穫したから分かる。」

「じゃあ、現場に行ってみるか。」


トライオッドの街を出て装甲車に乗って2時間、そこで車を降りて1時間程森の中を歩く。

「ここがかっての山葵の採取ポイントだ。」

ガイは水辺近くで地図を見ている。

「ジーン、山葵はあるか?」

清水の湧き出る水場には人の背丈より大きい草が幾つも生えていた。

山葵らしきものは見当たらない・・・と思ったが。

「・・・これ、山葵だ・・・」

「えっ?」

見本として見せて貰ったの写真は緑色のニンジンの様なもの。

「大きさが違い過ぎない?」

ムードの言葉にガイは巨大な葉をむしり取り、一口分切り取って齧る。

「辛い・・・野生化して巨大化したか・・・」

お前達も食べてみろとガイはジーン達3人に手にした葉の切れ端を渡す。

「げっ」

「辛い・・・つんとする。」

「ジーン、どうだ?」

ジーンは顔を顰めて口をモグモグさせていたが何とか飲み込んで答えた。

「この味間違いない・・・向こうのよりずっと辛いけど。」

「一つ引っこ抜いて持ち帰るか。」


「しかし、何で今まで気付かなかったんだろう?」

帰り道、車内でレノンが呟いた。

「食ったことのある祖父さん達にしても調理済みの物は知っているだけだからな。

どういう状態で生えているとかは知らないだろうし。」

「水辺に生えるといは聞いていてもまさか水の中に生えるとは思っていないか。」

「野生化で巨大化することは知っていてもまさかあのサイズになるとは考えないじゃないか?」

今回収穫した山葵は葉の部分だけで小柄なジーンの3倍以上の背丈である。

本体を含めれば5倍に近い。

見つけたら複数収穫することを考えていたがこれ一つで1年は持つんじゃないかというサイズである。

「まあ、レイ伯父さんに良い報告が出来そうで良かった。」


苦労して持ち帰った山葵にレイ達は狂喜した。

ガイは1年持つじゃないかと言う予想はあっさり崩れた。

ジーンから山葵を使った料理の数々を知ったトライオッドの料理人達は様々な料理が生み出す。

特に葉の部分に強力な殺菌効果があることが分かると風味付けを兼ねて携帯食に使われるようになった。

結果、1月もしない内に何でも屋に採取依頼が出される。

またジーンから養殖方法を聞き出し、トライオッド近くに試験農場が作られた。

こちらは野生より辛みがまろやかで料理の幅が広がると料理人達に喜ばれる。

そうして、山葵はトライオッドの名物となった。

やがてそれらは、港町アレストリアにも出荷され、刺身のお供として必需品になるのはそう遠くない未来の話。

閲覧、有難うございます。

観光農園のお昼は盛蕎麦、山葵付き。

山葵漬けに山葵ソフト、山葵飴、山葵風味のポテトに揚げ菓子等のお菓子を佳澄は全部制覇してます・・・

佳澄はご機嫌ですがジーンにはさぞ苦行だったことでしょう・・・



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ