第4話 進化
早朝、リュナにたたき起こされた。
「ユウマ!進化!!」
「わかった、わかった」
まったく、昨夜もじもじしてたのは何だったんだ。とか思いながら、リュナのステータスを開く。
『個体名:リュナ
種族名〔状態〕:ウルナ族〔ウルナ〕
ジョブ:狩人
《スキル》
・身体強化(小)
[進化条件]
達成済み
進化を行いますか? YES or NO?』
「YESだ。」
⦅個体名:リュナの進化を行います。⦆
リュナがすさまじい光に包まれる。
「ッ!!大丈夫か、リュナ?」
「うん!大丈夫!」
10秒ほど経過しただろうか。光が消えた。目の前には彼女が立っている。見た目で変わったところといえば、毛色くらいであろうか。灰色だったものが、黒、いや、漆黒に変化している。
「ユウマ、すごいよ!力が湧いてくる!!」
ステータスを確認する。
『個体名:リュナ
種族名〔状態〕:ウルナ族〔牙狼〕
ジョブ:戦士(NEW!)
《スキル》
・身体強化(中)(↑)
・俊敏上昇(NEW!)
・裂爪(NEW!)
[進化条件]
… 』
森に行って力を試すことになった。進化した彼女は一言でいうなら、圧巻であった。
スキルの“俊敏上昇”は常時発動らしく、もともと速かった彼女は、さらなるスピードを手に入れた。
「楽しいッ!」
「待ってくれー」
はしゃぐ彼女を追いかけるのは苦労した。小1時間ほど走り回っただろうか。ようやく彼女は落ち着いたようだ。それにしても森のかなり深くまで来てしまった。こりゃ帰るのが大変だ。
帰り道、またアイツがいた。ブラッド・グリズ。昨日倒したやつよりも明らかに大きい。が、幸い、かなり遠くで発見できた。こちらには気づきそうもない。
「よし、少し回り道をしよう。」
「え?なんで?」
そういうと彼女はブラッド・グリズに向かって走り出す。
「身体強化!」
さらにスピードが上がった。そして、勝負は一瞬、いや、一撃だった。
「裂爪!!」
気づいたときには、化け物は倒れ、息絶えていた。彼女は満足げにこちらを見て笑う。
…進化ってすげぇ。
「帰ろうか。」
帰宅後、リュナの毛色を見た族長は少し驚いた様子だったが、俺の方を見て何かに納得したようだった。
「お父さん、アタシ、もう奪われたくない。戦いたいの。みんなを説得させてほしい!」
「ふむ…。」
族長はしずかにうなずいた。
次の日、族長はまたも集会を開いた。集まった村人の前に立つのは、リュナだ。
「みんな、アタシの話を聞いてほしい。」
リュナは話し始めた。これまでのこと、これからのこと、そして彼女の想いを。村人達は彼女の想いの強さに惹き込まれていく。そして、
「…。アタシは強くなった。王国兵が何人来ようとも、絶対に負けない。…だから、だからアタシに皆を守らせてほしい。信じて、この場所に残ってほしい。」
リュナはこうして話を終えた。すると、
「ふざけるな!!」
誰かが叫ぶ。無理か…、仕方ないだろう。実際リュナがどれだけ強くなったと言っても王国兵の予想戦力は300人。一人で戦って勝ち目があるかと言われたらわからない。無謀な話だ。だが、次に続く村人たちの言葉は、想定外のモノであった。
「ウルナ族の誇りをなめるな!」
「お前ひとりで戦わせるはずがないだろう!!」
「ッ!?」
リュナは泣き崩れる。彼女の言葉に奮い立ち、一緒に戦うという人がいた。十分である。次は、俺の番だ。
「皆さん、俺の話を聞いてほしい。」
俺は自分の能力について話した。進化についてもだ。
…
「俺は人間だ。そんな俺の言うことを信じるのは難しいかもしれない。だけど頼む。俺は信じられなくても、彼女を信じてほしい。…彼女とともに戦ってほしい。」
静寂のあと、彼が近づいてくる。先日、散歩途中に絡んできた男だ。
「俺は、俺たちはニンゲンが嫌いだ。獣人だってだけで、今まで本当にひどい目に遭わされた。」
「…。」
「だが、あなたは違う。ここ数日の俺たちへの接し方を見ればわかる。種族などという曖昧なもので人を判断していたのは俺たちの方だったようだ。」
彼は頭を下げる。
「これまでの無礼にお詫びを。そして、よければ、俺たちに力を貸していただきたい。」
後ろに控える村人たちも頭をさげる。村の総意であるようだ。
「…。もちろん力は尽くす。本当にありがとう。」
⦅導きの対象が現れました⦆
村人たちのステータスが表示できるようになったようだ。条件とやらが分かってきた。どうやら、俺が導けるのは、俺と信頼関係を築き、さらに強くなりたいと願う者であるようだ。
族長が叫ぶ。
「よし!では、戦いの準備を始める!」
「オォーーー!!!」
王国の出兵まであと6日。忙しくなりそうだ。
『個体名:天野悠馬
種族名〔状態〕:人族〔人間〕
ジョブ:導ク者
《スキル》
・導ク者(導きの数:1人)
・身体強化(小)(NEW!)
[進化条件]
…
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