最強の桃から生まれた俺、巨人・ロボット・ドラゴンと共に鬼を倒しに行くことになったんだが、最後はおにぎりがすべて解決した
むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。
ある日、おじいさんが山へ芝刈りに行くと、山の上から不思議な光が放たれているのを見つけました。興味を持ったおじいさんはその光を追い、山の頂上に辿り着きました。そこにあったのは、光り輝く巨大な桃でした。桃はまるで太陽のように輝き、まわりの木々を照らしていました。
おじいさんはその桃を持ち帰ることに決めました。家に帰り、おばあさんとその桃を割ろうとした瞬間、桃の中から大きな声が響き渡ります。
「私は桃太郎。どうか、私を育ててください。」
おじいさんとおばあさんは驚きながらも、その中から現れた赤ん坊を大切に育てました。その赤ん坊は、「桃太郎」と呼ばれ、すくすくと成長していきました。桃太郎は、体が大きく、力強く、そしてどこか普通の子供とは異なる雰囲気を持っていました。
しかし、平和な日々も長くは続きませんでした。近くの海から、恐ろしい鬼たちが村を襲い、財産を奪い、村人たちを苦しめ始めたのです。村人たちは恐れおののき、どうすることもできませんでした。
「私が、鬼を倒しに行く!」桃太郎は決意を固めて言いました。おじいさんとおばあさんは、彼の覚悟に心を打たれました。
「このおにぎりを持って行きなさい。心を込めて作ったおにぎりです。」おばあさんは手作りのおにぎりを包んで渡しました。
桃太郎はそのおにぎりを懐に入れ、旅に出ました。
旅の途中、桃太郎はまず、山を越えた先で巨大な巨人と出会いました。
巨人は、力強さを誇る存在で、周囲の人々を守るために日々戦っていました。しかし、鬼の軍勢に対して一人では限界を感じていたのです。
「君も鬼退治に行かないか?」桃太郎が尋ねると、巨人は静かに答えました。
「おれは、この山を守っているが、とても腹がすいた。そのおにぎりをくれるなら、お前と一緒に戦おう。」
桃太郎は巨人におにぎりを渡し、力を合わせることを約束しました。
次に出会ったのは、錆びついたロボットでした。
ロボットは古代の技術で作られたもので、感情は持たないはずでしたが、おにぎりの匂いで、心を持ちました。
「君も鬼退治に行かないか?」桃太郎が尋ねると、ロボットは機械的に言いました。
「私のプログラムには、正義を守ることが含まれている。もしそのおにぎりをくれるなら、私の力を君に貸す。」
桃太郎はロボットにもおにぎりを渡し、仲間に加えました。
そして、桃太郎は最後に、空を飛ぶ巨大なドラゴンに出会いました。
ドラゴンは空の王者であり、古代の力を宿していました。鬼たちが地上を支配しようとすることに怒りを感じていたのです。
「君も鬼退治に行かないか?」桃太郎が尋ねると、ドラゴンは深い声で答えました。
「鬼たちが世界を恐怖で支配しようとしている。わしも戦おう。そのおにぎりを分けてくれるなら、私の火の力で共に戦おう。」
桃太郎はドラゴンにもおにぎりを渡し、共に戦うことを誓いました。
桃太郎とその仲間たちは、鬼が島に向けて進みました。途中、恐ろしい鬼の軍勢が何度も立ちはだかりますが、桃太郎たちは一歩も引かずに戦い続けました。
まず、巨人がその巨大な力で鬼たちを蹴散らしました。巨人は大地を揺るがすほどの一撃を放ち、敵の前線を崩しました。
次に、ロボットがその冷徹な分析力で戦況を読み取り、レーザーを放ちました。彼の精密な攻撃は、鬼の拠点を次々に壊滅させていきました。
そして、ドラゴンは空から火を吹き、鬼の軍勢を焼き尽くしていきました。彼の炎はまるで災厄のように、敵を焦がしていきます。
ついに、鬼の大将と対決する時が来ました。鬼大将は、他の鬼たちよりも圧倒的な力を持ち、巨大なこん棒を振り回しながら、桃太郎たちに襲いかかってきました。
しかし、桃太郎達は恐れずに立ち向かいました。巨人が鬼大将に向かって突進し突き飛ばし、ロボットはその後ろからレーザーを放ち、ドラゴンは上空から一気に炎を吹き、鬼大将を包み込みました。鬼大将はその強力な攻撃に耐えきれず、ついに倒れました。
鬼大将が倒れ、静寂が辺りを包んだその瞬間、桃太郎は、倒れた鬼大将の前に立ち、懐からおにぎりを取り出した。
「な、何だ?」鬼大将が目を見開いた。その瞬間、桃太郎は小さく笑顔を浮かべ、おにぎりを手に持ちながら
「君も、ちょっとだけでも、食べてみろ。」桃太郎は柔らかく言った。
鬼大将は戸惑いながらも、無言でおにぎりを受け取ると、一口食べて驚いた。「米の一粒一粒が立っていて、冷めているのに、美味い…」
桃太郎はにっこりと微笑み、言った。「腹がすくと、心がすさむ。腹一杯食え!」
鬼大将は静かに頷き、少しずつ心の中の怒りが和らいでいった。しばらくして、鬼大将は言った。「オレも新たな生き方を見つけた。」
その後、鬼たちは戦いをやめ、村人たちと共に農家を始めた。
桃太郎はおにぎりの力で、新たな希望をもたらした。
おしまい。