目覚め
「....うぅ...ん」
懐かしい夢を見た
朝日がカーテンの隙間から覗いている
「そろそろ起きないと」
僕は体を起こし庭にある井戸に向かい、いつも通り顔を洗う。
「よし、すっきりした。朝ごはんでも作って父さんと母さん待ってるか」
といっても僕が作れるご飯なんてたかがしれていて、いつも目玉焼きベーコントーストだ
正直こういう雑な味が一番好みだったりする。
コンコン。コンコンコンコン。
おっ、このノック音は
「シューくん、いますか?」
「はーい、今料理してるから勝手に入ってていいよー」
この『シューくん』と呼んでくる女の子は”キーナ・アリアル”
僕の幼馴染で、テイマーの名家”アリアル家”の次女
テイマーにはありがたいユニークスキルを持っていたりする
「いい匂い、またシューくんの大好きな目玉焼き(省略)パン?」
「勝手に省略するな」
こんな軽口は叩けるくらいには仲がいい。
いっちゃなんだが、キーナはめちゃくちゃ可愛いからたまに惚れてしまいそうになるのが難点
「そういや今日はどうしたんだ、朝っぱらから」
「そうだった、大変なんだよ!シューくん!」
キーナの言う『大変』は大変じゃない事がほとんどなんだが、言わないでおこう
「大変って、何がだ?」
「大変も大変!魔族の王様!魔王が出現したんだって!!」
ちなみに私、朝はご飯派です