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秘話
モルスという小さい島国の、そこからさらに少しだけ離れた離島にある女の子が住んでいました。その子はたいそう大人しく、小さい頃から本を読むのが好きでした。
たまに外へ幼馴染の男の子と一緒に遊ぶか、家で本を読んでいるそんな少女ところへ突然、奇妙な石ころが転がってきました。
それは夏の、暖かい日のことでした。幼馴染と共に外でかけっこをしていた少女は、その幼馴染を追いかけている最中、うっかり転んでしまいました。
ガリっと思いっきり膝を擦りむき、ジンジンと血が滲み、あまりの痛さに少女は泣き出しそうになりました。
ですがそんな時、足元に転がり落ちている奇妙な石を発見したのです。キラキラと宝石のように輝くその石を見つけた少女は、好奇心から口に入れてしまいました。
その後、後ろから幼馴染の男の子に名前を呼ばれ、ビックリしてその石ころを飲み込んでしまいました。
でも、其の後とくに、少女の身に何か変化が起こることはありませんでした。