天の川銀河エルフ連盟"ウルトラビジター"もといサメ殺し同好会
エルブンスペース。
ある古エルフが作り出した、エルフ専用の空間である。名のある大エルフであれば、宇宙を隔てた彼方からでもエルブンゲートを通じて行き来ができる。
エルブンスペースの中央に位置する荘厳なエルブン城。その持ち主はエルフの王や女王ではない──サメ殺し同好会だ!!
エルブン城の円卓に居並ぶ千歳超のグレーターエルフたち!!
褐色銀髪巨乳エルフ、ドゥームビッチ!26424歳!サメ殺し同好会会長!
青髪清楚系エルフ、ペンタプッシャー!17764歳!同好会副会長!
コアラ!
青肌モンスター娘風エルフ、ドラゴンディルドー!9123歳!
キャップを被ったメスガキ系つり目エルフ、スパンキング!3191歳!
ローブを纏った目隠し謎系エルフ、アスホール!7997歳!
コアラ!
お菓子系ゴスロリエルフ、クリームパイ!4168歳!
金髪パワー系セクシー女エルフ、グロウリィホール!8421歳!
コアラ!
眼帯を付けた武将系エルフ、ディープスロート!5316歳!
毛量の多いメガネエルフ、パフィニップル!2043歳!
コアラ!
お姫様風エルフ、ラブドール!魔法少女風ツインテールエルフ、ストラングル!コアラ!黒ギャルエルフ、エクストラバージン!コアラ!
合間合間にコアラが挟まるのは、オスのエルフが実質コアラであるためだ!ユーカリの葉に含まれる毒素を分解するため、コアラたちは寝ている!!
そこに現れる3人の追加エルフ。日本人中年男性ふんどしエルフ、ノリヒロ!発情期のメスエルフ、ポンティ!そして彼らの師であるふんどし幼女の古エルフ!
「おひいさま?」「生きていたの?」「なんだあのオスは」「原住民の奴隷じゃない?」「苦ェ…」
どよめく円卓のグレーターエルフたち。師は快活に言った。
「新顔も多いが…しばらくぶりじゃの。
こやつらはワシの弟子エルフじゃ。まだまだ半人前じゃが、この"サメ殺し同好会"に参加させてやろうと思ってのう」
「地球という星の、中年のオスエルフ…ですか?」
「うむ!ちなみにこやつはワシの夫でもある」
「はあああ!?オットおお!?!?このクソ雑魚ナメクジ森林すかすかおじさんが、オット!?」
メスガキ系つり目エルフ、スパンキング!
「こらこら、口を慎め。ぶっ飛ばすぞ」
師の一言に、一瞬で場が凍りつく。
師は古参の大エルフが居並ぶサメ殺し同好会においても、破格の存在のようだ。一方のノリヒロはエルフになってまだ二年弱。この場において、クソ雑魚ナメクジ森林すかすか中年童貞おじさん幼エルフでしかない。
ノリヒロは油断なく面々を見渡す。マイナスイオンから推察できる、体内の蓄積森林量のパワーバランスとしては…
師匠>(古エルフの超えられない壁)>会長・副会長>(万歳超の壁)>円卓の面々>(千歳超の壁)>ポンティ>(百歳超の壁)>ノリヒロ
コアラ???
と言ったところだろうか。ほぼ年齢がそのまま、体内森林の深さに比例している。コアラの位置付けが不明だ!
ちなみにエルフ時間は、地球時間とほぼ同じである!
「おひいさま。千年以上も音信不通で…一体何をしてらっしゃったのですか?」
コアラが喋った!
「何をしておったかじゃと?何かしたのはお前たちじゃ!お前ら同好会の名前を変えたじゃろう。そういうことをされると、年寄りはもうわけがわからなくなるんじゃ!勝手に名前を変えるな!」
サメ殺し同好会。
現在は天の川銀河エルフ連盟、通称ウルトラビジターと名乗っている。
師が千年以上の間エルブンスペースにアクセスできなかったのは、サメ殺し同好会の合言葉が通じなかったためだ。
「ワシはゲートを前に、ずっとサメサメ言っとった。ゲートキーパーの奴に、ボケたと思われたぞ!」
「その件の連絡は取っていたはずじゃないのかい?」
金髪パワーセクシーエルフ、グロウリィホール。
「もちろんです。いやしかし、おひいさまたち古エルフの参加が途絶えたのも、ちょうど改名の時期と一致します。もしや…ダークエルフの工作かもしれません」
副会長の青髪清楚系エルフ、ペンタプッシャー。
「何じゃ?ダークエルフとは」
「おひいさまに分かり良く言えば、サメ派のエルフです」
「はあ?そんなけったいな奴がおるんか」
「副会長、不用意な発言は慎め。改名は全員合意の上だったはずだ」
サメ殺し同好会会長、ドゥームビッチ!その褐色の乳は、ポンティを超える大きさだ!
「まあ…サメ殺し同好会はちょっとね…威厳ゼロだし」
お菓子系ゴスロリエルフ、クリームパイ!
師は憤る。
「合意じゃと?ワシは知らん!なんじゃサメを殺すためだけの集まりに、大げさな名前を付けおって!」
「いや、団体としての業務が増えて…それに今やほとんどの者が、原住民の間で立場というものがあります。神として崇められている者さえ少なく無いのです」
「それはサメと関係あることなのか?」
「……いいえ」
師に言葉を返す者はいなかった。
逆にサメと関係がある業務とは何なのだ。ノリヒロは訝しんだ。
ノリヒロは"サメ"の実物を知らぬため、ただそれを推察するしかない。師の言うサメとは、ただ地球の海で泳いでいるだけのフカヒレ生産者ではないことはわかる。
かつて戦ったゴブリンのように、不可視のモンスターシャークが宇宙空間を泳いでいるのだろうか?いずれにせよ、師の尊厳を損ねぬよう、迂闊な発言は慎まねばなるまい。ノリヒロは沈黙!
「緊張して、うんこしたくなっちゃった。お庭借りていい?」
ポンティ!
「トイレを借りろ!」
「まったく…そういえば、古エルフはいつもこうだった。いくら昔に作られたルールであっても、それは昔のもの。現行のやり方を少しは尊重していただきたい…」
「しかしおひいさまの推薦であれば、受けぬわけにはいきません」
「投票が必要かい?だったら一旦帰らせて欲しいんだけどねえ」
「下位の末席を新しく作らないと…」
「次なるユーカリを持て」
「あたしは認めないわ!メスエルフの方はともかく、こんな雑魚と一緒にされちゃ連盟の格が落ちるってもんよ!」
議論を交わす同好会の面々に、師は言った。
「…ふーむ。揉めた場合は暴力で解決するというエルフの掟は、今も有効かの?」
剣呑な空気!連盟が束になってかかっても、師に敵うかどうか。
「案ずるな。ワシはそこまで過保護でないわい。こやつの力を認めさせれば良いのじゃろう?ノリヒロ!そこな平和ボケしたエルフどもに、いっちょ分からせてやれ!」
状況が分かっていないのはむしろノリヒロだ。前置きもなく連れてこられた上、情報量が多すぎる!しかし師が"やれ"と言ったのであれば、やらねばなるまい!たとえポンティよりはるか格上の、グレーターエルフが相手であろうとも!!
「……はいッ!!」
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