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消える『セカイ』と笑う『ボク』  作者: 生贄さん
第1章 『セカイの構造』
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第五話 星ノ使徒

「大勢で行くのはかえって危険になる可能性があるだろう。ここは私が行く。他の皆はここで待っていてくれ。」


早速、マルクのもとへ向かおうと準備を行う。ラーチスが他の「討伐隊」の仲間にそう声をかけていた。


「ラーチス!俺たちも一緒に向かう!」

一人の男がそう言いながら近づいてくる。となりには女が一人並んでいた。

「!!パウロ、それにライニも…」

「俺たちは補助係としてついていく。決して迂闊な真似はしないと約束する。」

パウロがそう言い出すと、ラーチスは少し考える素振りをし、やがて、

「…分かった。危なくなったら自分の命を優先しろよ。」

「ああ…」

パウロがそう返事をし、ライニも頷いてみせた。


「ラクト…こちらは準備ができたぞ。」

「分かった。カナデ、七香、お前らは?」

後ろでごそごそ荷物を整理している二人に声をかける。

「「大丈夫!」」


よし、いよいよだな。


「行くか!」

「「「「「おおー!!」」」」」

俺の掛け声に七香、カナデ、ラーチス、パウロ、ライニの5人が答えた。







暫く歩き続けると、ふとラーチスが、

「止まれ。この先がマルク隊長たちがいるところだ。」

俺たちに気をつけるようにと声をかける。

マルクたちが捕まっているところ…つまりはこの『レッドセカイ』を襲ってきた張本人がいる場所であり、付け加えれば『核』が存在している場所でもある。


「ーー!!あれはっ!!」

パウロがそう声を出す。見ればそこには縄で縛られている「討伐隊」の皆だと思わしき人物が5人見える。1人の姿がまだ見えない。ということは敵が近くに置いているのか?それなら慎重に確認しないとーーー……

「うぉぉーー!!」

「お、おい!?」

姿が見えるなり、ラーチスがいきなり斬りかかる。

俺はとっさに止めようとしたが間に合わない。

ーーーまぁ、それは良いだろう。不意打ちなら可能性がまだあるだろう。


「なっーー!!?」

だが、突っ込んだラーチスが何かにぶつかって弾かれる。すぐにその部分を見るが何も見えない。


「ーーー《クリアシールド》だよ。まさか何も無いと思ってたの?」


敵の一人がそう答えた。《クリアシールド》は「防御魔法」の一つだ。

敵は全部で4人しかいない。答えた者の他三人は真っ黒のロングコートを身につけ、フードを深く被った姿だった。

ーーー先日、俺と七香を襲ってきた人物と似ているな。

残りの答えた一人も他三人と姿は似ているが、金色の線のようなものが付いている。明らかにリーダー格だと分かる。


「今回は見逃すけどさ、次同じように勝手な行動をとったら、人質み〜んな殺しちゃうよー?」


そいつは、そう軽々しく言葉を言い放った。


「き、きさま!マルク隊長たちを離せ!」

切羽詰まったようにラーチスがそう言い返す。

「そんな簡単に手放したら人質の意味ないじゃん……へぇ。」

何故か、言葉を交わしているラーチスではなくこちらをじっと見ている。フードによって顔の表情はよく分からない。だが、俺を見た瞬間、軽く微笑んだように見えた。


「お前は誰なんだ?」

俺はそう問いかける。下手に刺激したら、人質がどうなるか分からない。言葉で、ある程度敵の情報を手に入れたい。


「…ふっ、いいだろう。よく覚えておくんだよ?」

そう前置きをしてから、こちらを見渡すようにして言い放った。




「私は、星神『純潔を司る女神・ヘラ』の継承者、ユノ。」




ユノ?どこかで似たような名前を聞いた気が…いや、それより、

「星神?継承者?」

俺は初めて聞く単語にそう疑問を口に出す。

「そうさ。私は継承者。周りからは『(ほし)使徒(しと)』と呼ばれているようだが。」

『星ノ使徒』。そう聞いてもまだピンと来ない。だが、

「え…あいつが…星ノ使徒!?」

カナデがかなり驚いた様子でそう声を漏らす。他の獣人の皆も驚いたような顔をしている。七香も、驚いている。

「な、七香。お前も知っているのか?」

「逆になんであんたは知らないのよ?かなり有名よ、星ノ使徒ってのは。」

「有名なのか?」

「えぇ。もちろん、悪い意味でね。」



「さあさあ、ここへ来たということはこいつらを助けに来たんでしょ?」

驚いている(俺を除き)俺たちにユノと名乗った人物がそう声をかけてくる。

「!!そ、そうだ!」

ラーチスたちも驚いていたが、声をかけられ我に返り、なんとか声を振り絞る。

ーーー相手の名前を聞くまでと聞いたあとで明らかに反応が違う。それほど、やばい相手だということだろう。


「もちろん、ただで返すつもりは無いわ。その代わり、取引をしましょ?」

「と、取引だと?」

ユノがそう言い出し、ラーチスも驚いた声で反応する。


「その取引に応じてくれたら、人質は返してあげるわ。」

「!!それは本当か!?」

「もちろんよ。」

ラーチスはかなり前のめりになってユノに耳を傾けている。

「それで、取引内容は?」



「ふふっ。取引内容はね………秘石よ。」



「ッーーー!!!?」


相手の言葉を聞き、ラーチスが絶句する。

秘石…一体なんのことだ?ほかの「討伐隊」の仲間も驚きの表情をする。カナデは何のことだ?と首を傾げている。七香も同じだ。

「討伐隊」に関係することなのか、はたまたカナデも知らないような秘密のことなのか。


「なぜ、貴様が秘石のことを!?」

「そんなものは、調べたのさ。それよりすぐに持ってきて欲しいのだけど…君だけの意見じゃ決められないよね?」

「ぐっ……」

さらにユノは、

「今から10日間待ってあげる。その間に次来るときは秘石を持ってきてちょーだい。もし、10日間を過ぎたり、秘石が用意できなかったら…皆殺しよ。」


「!!」


その瞬間、何やら不気味なオーラを感じた。


「さあ、早く帰ってこの『セカイ』の一番えらい人と話し合ってきてよね。10日間も待ってあげるんだから。こんなに優しい人は他に居ないわよ?」

「き、貴様…!!」

「早く帰った帰った。」


それきり、ユノはラーチスとパウロ、ライニたちから視線を外す。

ーーーもう興味なしということか。


「くっ…!」

ラーチスがユノに近づこうとしている。流石にそれは危険すぎる!

「ま、待て!落ち着くんだ。」

「ーー!!?」

俺は咄嗟にラーチスの肩を力づくで抑えた。


「冷静になれ。今どうこうしても…あいつには勝てない。」

人質がいる以上、こちらから下手な真似をすることができない。

「一旦、引き下がろう。それが賢明な判断のはずだ。」

俺はそうラーチスに言い聞かせる。

「……くっ…確かに、そうだな。一度戻るとしよう。」

ラーチスはそう決断した。

「すみません、マルク隊長。必ずやお助けします!」

マルクたちは眠らされているのか、横に倒れた状態だ。

ーーー俺たちはこの場を後にして、役場へ戻ることとなった。

「ーーーいい判断だよ。絡斗君。」

後ろでユノが何かを発したが俺の耳には届いてはいなかった。








「なるほどね。それは大変だったね…」

役場へ戻ってきてメイにさっきの出来事を報告した。

「俺たちはジャイ二おじ様のもとへ向かう。」

そうラーチスが言い、「討伐隊」は役場を出ていった。

「ジャイ二って?」

「この『レッドセカイ』で一番えらい人だよ。」

カナデが俺の質問に答えてくれる。

「私たちもカナデちゃんの家に戻る?」

七香がそう聞いてきた。

「そうだな。俺たちも戻るか。今日はいろいろと話すことがあるしな。」

そう言って俺たちも役場を出ていくことになった。





「なるほどのう。星ノ使徒か…」

戻るなり俺たちはすぐに話し合いを始めた。席順は、俺から右にカナデ、ウノさん、エル、七香だ。


「またまた面倒なことが起きたようだね。」

まるで他人事のように言いやがる。

「お前は手伝ってくれないのか?」

「いや、手伝うさ。ただ、問題がいろいろ増えてきたなと思っただけさ。」

「そうか。そういえば、調べものはどうだ?」

エルは調べたいものがあると、家で待つことにしていた。

「手がかりは見つからなかったよ。」

「そうか。」

と、こんな話をするんじゃなくて、

「星ノ使徒ってのはなんだ?」

俺は疑問を口に出す。おそらく、星ノ使徒について何も分からないのは俺くらいだろう。自分で言っていて悲しくなってくる。

「星ノ使徒ってのは、昔、世界各地を支配していた『十二星神(じゅうにせいしん)』の力を受け継いだ者たちのことだよ?」

カナデがそう説明をしてくれるが、また新しい単語かよ…

「『十二星神』というのは、アランが『セカイ』を生み出す前、この世界各地を支配し、争いを起こしていた「神族」のことを言うのさ。」

エルがそう付け足す。

「神の中でも一際目立つ存在だったのがその『十二星神』じゃよ。アランはその『十二星神』が戦争の元凶と知り、自らと引き換えにそやつら全てを滅ぼしたのじゃ。」

「ま、まじかよ…」

ーーーそのアランってやつのほうがかなり凶悪に聞こえるんだが…

「一応、なんとなく理解はできた。それで星ノ使徒ってのも『十二星神』と同じように支配が目的なのか?」

「おそらくな。じゃが、詳しくは分からぬ。ただ、星ノ使徒が「神族」じゃないにしてもその力はかなり強いじゃろう。」

なるほど。支配が目的だとしたら、おそらくここ『レッドセカイ』も……

ーーー俺が倒すべき存在は「魔物」より、「星ノ使徒」なのかもしれないな。








ーーーこれ以上、大切なものは失いたくはない。

どうも生贄さんです。説明入ります。

パウロ・ゴーン

38歳。誕生日は1月13日。血液型はO型。『異能』は不明。「獣人族」で、「治癒魔法」を得意としている。


ライニ・ティゼリア

27歳。誕生日は11月26日。血液型はO型。『異能』は不明。「獣人族」で優しいお姉さんという雰囲気をもっている。魔法全般を得意とする中々の実力者。


ヘラ

???歳。誕生日不明。血液型不明。「神族」であり二つ名は『純潔を司る女神』。『異能』は「嫉妬」。また、『十二星神』の一人でもある。


ユノ(???)

???歳。誕生日不明。血液型不明。「???族」。『異能』は不明。「星ノ使徒」の一人。


ユノについては本編にて後ほど詳しく登場しますので、そのときにもう一度説明を加えたいと思います。

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