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消える『セカイ』と笑う『ボク』  作者: 生贄さん
第3章 『妖精姫の願い』
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第二十八話 襲来

ーーー絡斗を含む、攻撃側が館を出て行った同時刻。

この館の中でも、激闘が繰り広げられることになる。






「…いよいよ、始まるのですね。ラクトさん、ご無事で。」


入口で、フレイヤさんが絡斗たちの無事を祈っている。

「…さて、私たちも撃退の準備に入りましょう。」

フレイヤさんが振り返り、私たちに言ってくる。

「…もしかして、フレイヤさんも戦うんですか?」

私はそんな疑問を口にする。

「確かに、フレイヤさんは狙われている以上、身を隠した方がいいんじゃないの?」

「…拐われる危険性を、減らした方がいい。」

竜那と竜佳も私と同じ意見だった。

「皆さん、ありがとうございます。…でも、大丈夫です。私とて、守られているばかりではありませんから。」

フレイヤさんは強い意志でそう告げた。


「分かりました。…とりあえず、1人行動は危ないからペアを作って行動しない?」

私は皆にそう提案をする。

「そうですね。そっちの方が安全でしょうし。」

フレイヤさんがそう言ってくる。

「なら、私は竜佳と組むわ。」

「私も竜那と組む。」

「まぁ、そうだよね…」

いつも通りの2人をよそ目に、私は他の皆にもペアを作ることを促した。

「…そういえば、フランは戦えるのですか?」

フレイヤさんが聞いてくる。

「…えっと、それなりには…」

フランがそう答える。おそらく、全く戦えないということはないだろうが、そこまで戦闘に自信があるわけでもないようだ。

「それならば私と組みましょう。」

「えっ…!?わ、私で良いんですか?」

「大丈夫です。…ナナカさん良いですか?」

フレイヤさんが聞いてくる。確かに心配な部分はあるけれども、

「何か策があるんですよね?」

「はい。」

「だったら何も問題は無いですよ。無茶はしないで下さいね。」






結局、ペア分けは、竜那と竜佳、フレイヤさんとフラン、私とカナデ、メルリアとシェードとなった。

雄二は2階以上のクラスメイトの戦いの方で参加することになった。

それから、私は幸崎先生と南先生の所へ向かう。

「それじゃあ、先生たちもよろしくお願いします。無理はしないでください。」

「分かってる。お前たちもな。」

「…ちょっと今までにないくらいこの戦いヤバそうですね〜。」

「…寧音もやる気出せよ?」

「…もちろん。生徒を死なせる訳には行かないからね。」


そうして、先生2人は2階へと上がって行った。


「…ふぅ。」

私自身も、何とか落ち着こうと深呼吸をする。

「…よし!」

私が気合いを入れ直した瞬間ーーー、


ドゴォォンーーー!!!


「…っ!?」

「なっ!!?」


「…殺戮の始まりだわ。」


壁を壊してやって来たのは…支配者『賢王』アギだった。


「まぁ、さすがにドアから丁寧にはやって来ないわよねっ!」

私たちは早速、戦闘態勢に入った。






「…『異能』、「心器(こころうつわ)」!」

私が創造した武器は、槍だ。特別、何も凝っていない至って普通の武器。そういった武器の方が、力の消費を抑えることができるから。


「…何だ、あのときの小僧がいないではないか。」

アギは周りを見てそう呟き、メルリアを見た瞬間に目を見開いた。

「…!っ、クックックッ…やはり貴様は裏切り者だったのかぁ!」

そう叫ぶと、周りの壁もたちまち壊され、配下らしき魔族たちが一斉に攻め込んでくる。

その数は、ざっと20人ほど。


「…行くわよっ!」

「っ…!」


私の声を合図に、私たちはペアでそれぞれ散らばった。


「…アギ以外は大したことなさそうだね。」

カナデがそう言ってくる。

「確かに。…だけどやっぱり数が問題ね。」

人数差で不利な分、こちらが劣勢になる可能性が高い。

「…私たちはアギを倒すわよっ!作戦通り行くわ!」

「了解!」

私とカナデはアギに向かって、距離を詰めていく。


「貴様らは相手にならん。さっさとどくがよい。」

アギはこちらに向かって右の手のひらを向けてくる。


「行くよっ!カナデ!」

私は『異能』により創造した槍をカナデへと投げ渡す。


「『異能』…「崩拳(ほうけん)」!」

カナデは私の武器を手に持ったまま、『異能』を発動する。

カナデはあれから修行を積み、自分の『異能』の効果を手にした武器にも重ねられるようになった。これによって、私の槍にカナデの『異能』が加わり凄まじい力を発揮することになる。


「っ…ふむっ、それはこちらかなっ!?」

アギの体を青い光が包み込む。

『異能』、「吸収(きゅうしゅう)」だ。これにより、カナデの「崩拳(ほうけん)」の効果も、その力を合わせた槍の攻撃も通用しなくなる。

だけど、


「ぐっ…!?」


アギの体にカナデの持つ槍が触れた瞬間に、激しい爆発音とともにアギが大きく後方へ吹き飛ばされた。

「まだまだ行くよっ!」

カナデは再びアギに接近する。

「ちっ…見た目とは違う攻撃という訳か!!」

再びアギの体を光が包み込む。しかし、今度の光は赤色だった。

つまり『異能』、「反射(はんしゃ)」を使用したということ。

「がぁっ……!?」

だが、カナデの槍は、アギの体を突き刺して貫通した。

「ふっ!」

「がぁぁぁ…!…ぐっ…どういうこと…だぁ?」

カナデはその槍を引き抜き、アギと距離をとる。

アギの体には大きな穴が空いており、そこから大量の血が吹き出ている。


「…はぁ…まさか、我の『異能』を知っているのか…」

アギは1つの結論にたどり着く。確かに今アギの思ったことは正しい。


「ーーーいや、知ったところで今の攻撃は不自然だわ。…全く同じ攻撃、それだと言うのにどちらでも防げない。」

「……」

「つまり、今の攻撃には、接触ダメージと非接触ダメージ…両方が重なっていたというわけだ。」

流石は支配者の一人。頭の回転が速く、あっという間にこちらの狙いに気がついた。

…そう、私だって何もしていなかったわけじゃない。カナデと一緒に修行したおかげで、『異能』で創造した武器に自分の魔力を流し込むことができるようになった。

これによって、『異能』の武器から魔法を飛ばすことができる。


「…まさか、「付加武技」?…いやそんな大層なもんじゃないわね。似たようなものか。」

アギは自問自答し、納得すると改めてこちらに視線を飛ばしてくる。


「思ったよりはやるではないか。…さて、ここから本番と行きましょ?」

やはり最初の対策が完全でない状況でのカナデと私の合わせ技。それでトドメが刺せなかったとなると、相当きつい戦いになるだろう。


「それでも負けないっ!行くよっカナデ!」

「うんっ!」


私たちは気合いを入れ直し、アギとの本当の戦闘が始まったのだ。






〜〜〜〜〜






「ふっ…!」

「…こっちは思ったよりも弱い?」

「アギだけが強くて配下たちはそこまでって感じなのね。」

七香とカナデがアギと戦っている中、私たちはその配下たちと交戦中だった。


「やっぱり、メルリアさんの存在が大きかったのかな。」

竜佳がそんな事を言うが、私も同じ気持ちだ。

アギはメルリアさんを頼りにしていたのだろうなと実感する。

「…リュウナさん!」

「…っ!?」

フレイヤさんが声を上げる。振り向くと、そこには1人の魔族が武器を振りかざしていた。

「ふっ!」

「…《ブラックドレス》!」

竜佳が危機一髪の所で、防御魔法により防いでくれた。

「…大丈夫ですか!?」

「なんとか…!ありがとうございます!」

私はフレイヤさんに礼を言う。

「ありがとう、竜佳。」

「大丈夫。…それより、」

竜佳は私を攻撃してきた人物を見て言う。


「…他の配下たちと雰囲気が違う。」

「…っ。確かにね。…さっきまで隠れていた?」


その人物は他の配下たちとは格段に違っていた。


「…倒すわ。」


着物のような服を着ており、長さは膝上辺りまである。

髪はおかっぱで、色は紺色。瞳の色はピンク色で、おかっぱの髪の隙間部分から角が2本生えていた。

そして、武器である刀は3本あり、右腰に支えている。


「…あなたは、誰?」

竜佳が尋ねる。


「…私はアルカナ。あなたたちを倒すよう命じられている。」

アルカナと名乗った少女は刀を持ち替え、構えを取る。


「…竜那。」

「大丈夫。私たち2人なら、勝てるよ。」

「……うん。」



…私たちと、アルカナの戦闘が今幕を開けた。

アルカナ

???歳。誕生日不明、血液型不明。『異能』は不明。

魔族で、『イクストセカイ』の支配者の一人、『賢王』であるアギの配下の1人。

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