第三話 戦闘
どうも生贄さんです。こんなに毎日投稿できている理由としましては、初投稿ということもあり暫くの間のネタがあるからです。あと少しで、投稿期間も少し長くなる時が来ると思います。
ふぅ。
ーーーやっと家に着いた。急いでいるせいか、いつもより早く帰ってきたはずなのに、かなり長い時間が経った気がする。
「…ねぇ。」
声をかけられた。誰かが付いてきてた!?急いでいるあまり周りのことが疎かになっていた。俺は、バッ、と後ろを振り返る。そこには、
「…な、七香か?」
いたのは、同じクラスの愛条七香だった。七香とは中学からの付き合いで、高校1年のときには違うクラスだったが、七香も「魔法科」を選び、今は同じクラスとなった。雄二とも仲が良い。またRineの登録者の一人でもある。(だから何だとは言わないでくれ。)
ーーーちなみに七香と俺はお互いにお互いの『異能』や、その実力を知っている。そういう意味では雄二よりも深い関係なのかもしれない。
「そうよー。さっき雄二の誘い断ってるの見ちゃってさ。あんた毎日が暇なのに珍しいなぁと思って付いてきちゃった。」
「お前なぁ…」
好奇心で後を付けられていたとは…
「なんか理由でもあんの?」
「あぁ、それはだな…」
ーーー別に七香になら隠す必要もないだろう。何故なら七香も……
ーーードンッッッー!!!
「「!!??」」
物が落ちるかのような速度で何者かが、近くの地面に着地した。
「あ、あいつは!?」
「!?…絡斗、知ってんの!?」
いきなり現れたのは、真っ黒のロングコートでフードも深く被っており、姿形が全く分からない。だが、おそらく男だろうと思う。それと、
「この前俺を刺したやつかもしれない!!」
「え!?刺した!!?」
ーーーそういえば、刺されたことは誰にも言ってなかったな。
「そ、それは後で話す!それより、あいつは…」
ーーーまさか、ここで戦おうなんて思ってないだろうな?まるで、今すぐ襲ってくるかのように左手には「黒い剣」を握っている。
「お、おい!?七香っ!!」
七香は臨戦態勢に入っている。こんな街中で騒ぎを起こしたら…!!?
俺の家は住宅街の中にあり、なかには非能力者が住んでいる家もある。あまり事を大きくしたくないが…
「そんなこと言ってらんないわ!とにかく、あいつを倒すか追い払わないと!!」
「くっ、くそっ!」
ーーー戦うなんていつぶりだろうか。そもそも今の俺は戦えるのか?
「来るわ!」
俺たちも戦う素振りを見せたせいか、「謎の人物」がいっきに距離を詰めてくる!
さほど早くはないが、全く隙がない!
「《フレイム》!!」
《フレイム》。火属性攻撃魔法の中でも底辺の魔法だ。
ーーーまずは様子見といこう。
相手は避けるのか、防ぐのか、その行動によって次の魔法を選ぼう……
「なっ!!?」
そう考えていたがーーーーーー突っ込んできた。
初級魔法と見て、ダメージが入らないと思ったのか。
しかし、これは様子見だけの魔法ではない。
「ていやぁぁあーー!!」
七香が背後から相手を攻撃する!
ーーー七香が背後に移動するための目くらましにもなっているのさ。久しぶりの共闘だが、体が動きを忘れてはいなかった。
ーーーゴンッ!!
「くっ…!!」
すぐさま、相手は振り向くと同時にその「黒い剣」で
七香の『光の剣』を受け止めていた。もちろん《フレイム》のダメージは通っていない。
ーーーそう。七香は剣など持っていなかったが、今はしっかりと剣を持っている。
七香の『異能』は「心器」だ。
力を一点に集中させ、頭の中で思い浮かべた「武器」をその場に生み出すことが出来る。もちろん実力にそぐわない「武器」や力が足りないときは生み出すことができない。生み出した「武器」の強さは、その自身の力の総量と比例する。
「七香ーッ!!《インフェルノ》!!!」
先ほどよりもかなり強い魔法を放つ!
「……」
七香は俺の声に反応し、すぐに相手と距離を取る。
相手も一瞬の攻防で動きが遅れたのか、俺の魔法が直撃した。
「や、やったか!?」
「それフラグ!」
ついつい変なことを言ってしまい七香に突っ込まれる。
「………」
「な、あいつ、不死身なの!?」
なんと、直撃をくらったにも関わらず、無傷だった。
「いや…このオーラはもしかしたら!?」
違和感を感じる。常に体からどす黒いオーラを放っているように見える。ロングコートはそれを分かりにくくするためのものなのか?いや、それよりあのオーラは…
「『黒纏壁』か!!??」
ーーーどうしてその『異能』が…ここに!!?
「な、なによそれ。」
七香は不思議そうにこちらに問いかけてくる。
「『黒纏壁』は、簡単に言えば超強力な障壁みたいなものだ。俺の力じゃ、あれは突破できない…」
「それって…かなりピンチ!!?」
そう。かなりピンチだ。おそらく七香の『異能』でも突破は無理だろう。その前にあの「黒い剣」に止められるだろう。
「ーーーッ!!」
相手が構える。左手を思い切り上から下へと振り下ろす。「黒い剣」からどす黒いオーラがこちらへ向かって飛んでくる!かなり速いっ!!避けきれない!!!
「や、やば…七香!!」
「え、ちょ…!」
俺は咄嗟に七香を押し、そのオーラの範囲から脱出させた。
ーーーここで死ぬのは早すぎるだろ。いや、もしかしたら耐えるか?ーーー無理だな。あのオーラがもしも『黒纏壁』なら絶対無理だ。
「ーーーー《ホーリーカーテン》」
声がした。七香とは別の声だ。俺の目の前に、淡い黄色の薄いカーテンのようなものがかかる。そして、
「くっ!!……あ、あれ?」
俺にオーラが当たることはなかった。
《ホーリーカーテン》。その魔法が俺を防いでくれた。
「ぁ……」
その魔法を放った人物を見たとき、声が漏れた。
「ーーーいやぁ、外が騒がしいと思って来てみたんだが…来客かい?」
エルだった。俺の家に泊まっていたおかげで助けられた。これで二度目だ。
「あ…ありがとう。」
「まだ礼を言うには早いぞ?」
相手…「謎の人物」がこちらを見て動こうとしない。
「悪いが、今日はこの辺でお引き取り願おう。
…《ライトニング》。」
そう言い、片手を前に突き出した。と、その瞬間眩しすぎるほどの光が一気にその手から放たれる!!
それはまるで神速のよう。先程のオーラの速度では到底及ばない。
ドゴンッーーーー!!!!
かなり大きい音がした。直撃した?そう思い、舞い上がる砂埃がおさまるのを待つと…
「い、いない?」
地面にかなり抉れた跡が残っている。「謎の人物」もいつのまにか消えている。
「おそらく逃げたのだろう。」
「そ、そうか。」
それは助かった。ーーーしかし、あの速度の魔法を予備動作なしで躱すとは。
「あれ?もしかしてエル?」
「…おや?ナナカじゃないか。」
七香がエルを見るなりそう声を出す。
ーーー先程も言おうとしたが、七香も昔のちょっとした「一件」に関係があるのだ。そのため、エルとも顔見知りなのだ。
「どうして絡斗の家にエルがいるの?」
そう不思議がるのも無理はない。
「それなら、七香には全てを話そう。エル、それでもいいな?」
念の為エルに確認を取る。
「構わないさ。むしろ、ナナカも協力してくれれば楽だからね。」
「…協力?」
「とりあえず、中に入ろうか。」
俺はそう言い、二人を家の中に招き入れた(片方はさっきまで中にいたが)。
「なるほど。『レッドセカイ』ってそういう意味なのね。」
一通り、昨日ウノさんから聞いた話を七香にもした。
「うん…分かったわ、私も協力するわ。」
七香は話を聞くと前向きな発言をしてくれた。
「ありがとう。正直、俺一人は厳しいと思っていたからな。」
「いや、ボクもいるよ?」
エルがそう言ってくる。無視しよう。
「そういえばさ、さっきの『黒纏壁』…?ってなによ。」
「あぁ、あれか。」
「あのオーラは『黒纏壁』なのか?」
七香が先程の戦闘での疑問を口にし、エルはおどろいた素振りで聞いてきた。
「あの『異能』は…ルードが持つ『異能』だ。」
「!?ルード!!?」
名前を聞くなり、七香は席を立つほどの勢いでおどろく。
「ルードって…滅ぼしたんじゃなかったの?」
そう。俺とエルと、あと一人でルードは滅ぼした。七香にはその事を言っていたが。
「蘇った…または、誰かに復活させられた?」
エルが落ち着いた口調で話す。
「その可能性が高いな。それか、『異能』の中に他人の『異能』を手に入れる。とかいうのがあるかもしれない。」
「それはそれで面倒ね…」
「…とりあえずそのことについては一旦置いておこう。まずは『レッドセカイ』へ向かうか。」
七香も前向きなことだし、七香を連れて三人で行くとしよう。
「そ、そうね。」
「…ボクは、ちょっと先の「謎の人物」について調べてみるとするよ。」
エルがそう言ってくれた。
「よ、よし。まずは『レッドセカイ』へレッツゴー!」
七香がそう言い出したが…
「…もう暗いし明日行くとしよう。今から行っても迷惑になるかもしれない。」
「うげー。せっかく気合いをいれたのに…」
七香の気合十分な掛け声は、エルの正論により砕け散った。
どうも生贄さんです。文章を読んで少し変だなと思いましたらぜひコメントをして下さい。では、説明です。
愛条七香
17歳で誕生日は4月2日。血液型はB型。『異能』は「心器」。茶髪でポニテの活発系女子。絡斗とは中学からの幼なじみ。
ルード・エメルデン
???歳。誕生日不明。血液型は不明。「魔族」で『狂気の王』の二つ名を持っていた。『異能』は「黒纏壁」。体からどす黒いオーラを放つことができ、自在に操れる。体にそのオーラを纏い防御として使ったり、腕や手先に纏ったり、武器に纏ったり攻撃としても使える。また、このオーラに使用者以外が長く触れ続けると精神を蝕まれ、最終的には気が狂いだす。
昔、絡斗とエルともう1人の三人で滅ぼしたはずだった。
「魔族」については後ほど紹介します。




