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消える『セカイ』と笑う『ボク』  作者: 生贄さん
第2章 『神の契約』
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第二十四話 許された者

ーーー地下深く、そう、日が届かず真っ暗闇の中を一人、悠々と進んでいる。

ここへ来るのは二度目となる。

歩き続けると、目の前には大きな扉が現れる。


「…来たカ?」

中から声が聞こえる。ワタシは、中へと入るためにその扉を開ける。中は光が灯っており、眩しいくらいだ。


「…契約、する気になったのカ?」

そう問われる。獰猛な瞳が私のことを見据えてるかのようだ。

「書に導かれた結果…あなたと契約したほうがよりよい未来となる。」

ワタシはそう答えると、突然と笑いだした。

「ハッハッハ…面白いナ。それで、契約するカ?」


「契約しよう。…『因果より生まれし鬼神』ラプラス=カルマ。」


「良いだろウ…『冥王』プルート、お前と契約を交わス。」






〜〜〜〜〜






「これからどうしよう。」

七香が聞いてくる。

目的のマキナは見つけたが、ライナを『異能』で治すのは危険だ。そのため他の方法を探すしかない。

「カルマは…」

「引き続き探すわ。」

と、レナさんが言ってくれる。

「本当ですか?有難いです。」

「ならば、私ももう少し残るとするか。」

ミルもそう言ってくれた。とても助かるな。


「私たちは、戻ってから他の方法を探す?」

竜那がそう提案をする。

「そうだな。」

俺たちにできることはやらないとな。


「それじゃあ、レナ。よろしく頼むよ。」

「かしこまりました、ユノ様。」


俺たちは僅か3時間程で、『ヒュームセカイ』に戻ってきたのだ。








「…そろそろ言うとするよ。」

結乃が決意を決めたようだ。

「分かった。」


「えっと…私たちはどうする?」

「…絡斗。私たちはどうすればいい?」

竜那と竜佳に聞かれる。

「2人も来てくれ。七香もな。」

「りょー。」


そして俺たちは俺の家に入っていく。



「お帰り〜…わぉ、お客さん多いね。」

カナデが出迎え、皆を見てそう言ってくる。

ちなみに、結乃以外とは知り合いだ。そのため、

「…えっと、あなたは?」

もちろんこの反応になる。

「…話があるんだ、カナデ。あとフランにも。」

結乃が口を開く。何故自分の名前を知っているのか?と言った風な顔をするが、俺たちから聞いているのだろうなと納得し、すぐにリビングへ案内する。


「私たちに話…?」

フランが首を傾げる。初対面の人にそう言われてもよく分からないだろうな。


「ここからは大事な話だからな。俺たちは部屋を出よう。」

「…いいの?」

「ああ。」

そう、俺は皆を促しつつ、リビングを出ていった。






「えっと…」

カナデは名前も分からない人を見て、どうすればいいか悩んでいる。


「2人とも。落ち着いて聞いて欲しいんだ。…できるかい?」

私は2人を落ち着かせるためそう声を発するが、

「その前に、名前を教えて欲しいんですが…」

フランに言われてしまう。確かに、そうだった。


「私は黒瀬(くろせ)結乃(ゆの)。よろしく頼むよ。」

「…ユノ…?」

フランが反応する。

「いや、それとは違うと思うよ。」

それに対してカナデがそう答えた。

「だって、ラクトたちと一緒にいるんだから。失礼になるよ?」

「あ…確かにそうだね。…ごめんなさい。」

フランは私にそう謝る。

本当に謝らなくちゃいけないのは私なんだけどね。


「…謝らなくていい。本当は…私が悪い。」

この言葉に、2人は意味がわからないという顔をしている。



「私は…星ノ使徒のユノだ。…『レッドセカイ』を滅ぼして…君のおじさん…ジャイ二を殺した本人だ。」



「「ーーーッ!!?」」

2人は同時に驚きの表情を浮かべる。

それは、思考が追いついていないかのように固まって動かない。

暫くして、カナデが声を出す。


「…嘘…じゃないのよね?」

「もちろんだ。…今日は…謝りに来たんだ。」

すると、フランが私に近寄って来てポコポコと叩いてきた。


「どうして今言うのよ!!…どうっ…して…おじ様を…殺したんですっ!!!」

激しい怒声だ。その勢いには、私も驚いてしまう。


「ちょっと…!!」

カナデがそのフランを抑えようとする。

「…危険だよ!」

確かにな。敵に迂闊に近寄ることなどしてはいけない。


「安心して欲しい、カナデ。…私はもうきがいを加えたりはしない。」

「…なんで今更なんですか!?『レッドセカイ』を滅ぼす必要があったんですか!?」

カナデは私を睨みつけながら言ってくる。


「『レッドセカイ』の核そのものに、アランが力を残していたんだよ。」

それを聞き、2人は不思議に思う。

「アラン…?なんでその人が…」

普通ならそう疑問に思うだろう。


「アランは…本当の敵だ。私たち星ノ使徒よりもね。」

「えっ…」

「もちろんこれも嘘ではない。私たち星ノ使徒の使命は、アランを復活させること。…アランが仕向けたことさ。」

それを聞いても、未だに信じ難いという顔をしている。


「それは…本当なの?」

「ああ。ジャイ二も…アランに操られていた。もう、手遅れだったんだ。」

フランはそれを聞き、叩いてくるのをやめた。


「…ッ……」


「…信じてもらえるかどうかは分からない。この後、絡斗君たちからも説明をさせるつもりではいる。」

2人は黙って私に耳を傾けている。


「私をどうするかは…その後に決めて欲しい。」







俺たちはリビングに戻ってくる。

「核に力を残したってどういうことだ?」

俺は入るなり、結乃に質問する。

「…聞いていたの?中々いやらしいね。」

「おいおい…」

「あのままだと、『レッドセカイ』の存在がアラン復活の後押しになってしまっていたんだよ。」

その力を無くすために消したのか…


「それでも…消す必要なんて…」

カナデが悲しい目をして言ってくる。

「ここから真実を話す。…覚悟して聞いてほしい。」

俺は前置きをして、カナデとフランを見る。


「「……」」

2人はしっかりと、強い眼差しで俺を見据える。…覚悟はできてるみたいだ。


「…事の順を追って説明するよ。」

俺は、今回起きた出来事、それからマキナから聞いた事を話す。





「「……」」

2人はそれを聞き、各々考えている。

「…どうだろうか?」

結乃はそんな2人に声をかける。

「…一発、殴らせてください。」

フランがそう言う。

「…ああ、分かった。」

そして、

「とりゃあーー!」

結乃を思いっきり殴ったのだ。


「…思っていたより痛かった…」

結乃がいらん感想を抱いているが、

「フラン、カナデ…俺も最初は許せなかった。…だが、皆を救うためには仕方ないことなんだと分かったんだ。だから許してやってくれ。」

俺は2人にそう言う。


「大丈夫です、ラクトさん。…もう許します。」

フランがあっさりと許した。

「…いいのかい?」

「今殴って恨みを晴らしたので。…前を向かないといけない時がある。そう、おじ様によく言われてきたので。」

…成長したもんだな。

「私も…許します。」

カナデもそう言ってくる。


「…ありがとう。2人とも。」

結乃は2人に感謝する。


こうして、結乃は自分の行いを許されたのだ。






〜〜〜〜〜






ーーー地下深く、そう、日が届かず真っ暗闇の中。

ここへ来るのは三度目だろうか。


「…何ダ?」

ワタシは、再び、ラプラス=カルマ…カルマの元へやってきた。


「頼みたいことがある。」

ワタシは、『星ノ書』の通りに物事を進めている。

そして、今日、新たな未来が記されたのだ。


「…ワタシ以外にも神と手を組んだ魔族がいたらしい。」

その魔族と神が、魔物を使い人族の住む『セカイ』を襲撃したことを知った。


「…ほぉー。その神ってのは誰だか分かるのカ?」

「デウス・エクス・マキナ。だが、共闘と言うより、マキナの元へ勝手にやってきたようだ。」

「それで、その魔族ってのハ?」


「…『イクストセカイ』に住む、『礼讃者』、『帝の王』、『賢王』たちだ。」

『イクストセカイ』を支配している3人の魔族。


「ふーむ。…それで頼みというのは関係してるのカ?」

カルマがそう聞いてくる。

「もちろん。…3人を泳がせること。それが記された。」

「…不意を突いて倒すというわけカ。」

「そう。」

この3人を泳がせ、隙を見せた所を倒す。

そして、『マデレセカイ』の他の支配者を屈服させる、または倒しさえすれば、

「ワタシが「魔族」を支配できる。」

そうすることが、『使命』…アラン復活の近道だ。


「…泳がせるってどうするんダ?」

「再び、人族の住むセカイを襲撃させ、戦争を起こす。その、仲介を手伝ってほしい。」


「…良いネ。」

カルマはワタシの頼みを前向きに取ってくれた。





「…ラクト、どうやら敵になってしまうようだ…」

ワタシは、少し残念そうに呟いた。

ラプラス=カルマ

年齢は不明(約2年前に生まれた)、誕生日不明、血液型不明。『異能』は「因果(いんが)」。二つ名は、『因果より生まれし鬼神』。ラプラスより、悪の塊が具現化し生まれた神。


これにて、第2章は終わりです。次回を楽しみに待っていてください。

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