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消える『セカイ』と笑う『ボク』  作者: 生贄さん
第1章 『セカイの構造』
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第一話 『レッドセカイ』

今回のお話とは関係の無いことですが、Twitterにてアカウントを作成しました。アカウント名は「生贄さん」です。いろいろとこの作品の情報を流すかもしれないので、よければフォローお願いします。

「ーーーーーー見つけたよ。ラクト。」


そう声をかけられた。一体誰だ?俺を刺したやつが話しているのか?だとしたら何故すぐに殺さない?


「このままじゃやばいな、ちょい動くなよ。」

俺の思考がまとまらない内に、声をかけてきた謎の人物が俺の体に手をかざしてきた。そして、

「《ヒール》」

《ヒール》とは、「治癒魔法」の一つである。俺の体に空いた傷口がどんどん塞がっていき、やがて何も無かったかのように回復した。

「ありがとう。えっとあなたは...え?」

そう見ず知らずの俺を助けてくれた能力者にお礼を言おうと顔を上げたら、

「やぁ、久しぶりだね。ラクト。前と比べてずいぶん大きくなったね。」

そこには見知った顔があった。


勝手に、男が助けてくれたもんだと思っていたが、顔を見たら女だった。口調がどうみても男にしか思えん。そして、その見知った女とは、

「お前は前とほとんど変わっていないな、エル。」


エル。彼女は「人族」ではなく、「天使族」というものだ。

「天使族」はこの地上界のはるか上空に位置する「天界」と呼ばれるところに住んでいる。天使特有の輪っかや羽があるが、自在に隠すこともできるらしい。(今、目の前にいるエルには輪っかも羽もない)エルとは、昔ちょっとした付き合いがあり、仲良く話すことが出来る存在でもある。

「それにしても、勝手にここに降りてきたのか?」

「天使族」は「天界」から降りてくるのにはしっかりとした理由を持ち、許可を得ないと降りてこられない。

「やだなぁ〜。ちゃんと許可は得てきたさ。」

「そうなのか。でもどうしてここに?」

誰もが思いそうな疑問を口にした。たまたま降りてきたら、たまたま知り合いが死にかけの状況だった。なんてことはほぼありえないだろう。

「実はね、今大変なことが起きているんだよ。」

そう口にするエルはえらく真剣な眼差しをしていた。

「なんだよ?大変なことって。」


「そう、実は…なんかやばいやつが魔物を解放しちゃってさらには悪そうなやつも暴れだしていろいろと手につかないんだよ!」


・・・よく分からん。


「なんだよやばいやつとか悪そうなやつって。曖昧過ぎんだろ。てか、魔物を解放って、なんだそれ?」

聞いた事の無いようなことを言われあまりピンと来ない。

「魔物はね、しばらく人間の住まうところに来られないように「結界」を貼って防いでいたのさ。」

「なるほど、だからここ数年はあまり被害も大きくなかったのか。」

しばらくの間、平穏に過ごせていたのは「結界」のおかけだった。

「だけどね、つい先日誰か分からないんだけどその「結界」を破壊してしまってね。魔物がまた危害を及ぼそうとしているんだよ。」

「一体誰がそんな事を…」

「でね、その人物を探そうと許可を得て、この地上界に降りてきたのさ。そしたら君が倒れていたってわけさ。」

なるほど。これでなんとか辻褄が合った気がする。

「もしかしてさ、その人物が俺を刺したやつと同一人物ってのは?」

「無いとはいいきれないね。だから君を刺した人物も一緒に探そうと思っているんだ。」

「そ、そうか。」


魔物を防いでいた「結界」を破壊した人物が俺を刺したかもしれないとか...俺よく生き残れたな!もしかしてエルが来たタイミング完璧だったのか!?

「ほんと助かったわ。」

「いや、完全に助かったとは言えないね。」

「え?」


おいおい、不吉なこと言い出すなよ。


「なにか違和感が無かったかい?」

「違和感?いつだ?」

「んー、刺されたときとか、その直後とか。」


そう言われ、俺はついさっきのことを思い出す。すると、

「そういえば、俺の「治癒魔法」が使えなかったような。」

「気づいたようだね。」

「それって、もしかして俺を刺したやつの『異能』の仕業なのか?」

「『異能』かどうかは分からないが、今君の体には「弱化魔法」がかけられているよ。」


「弱化魔法」。カタカナ表記だと「デバフ」と言われるやつだな。対象者に対して、いろいろな制限をつけさせる魔法だ。弱ければ解除したり、時間経過で消えたりするが、

「これはかなり強力だね。おそらく『異能』の効果も追加されているだろう。」

「どのくらい続きそうだ?」

「よくは分からないが下手したら...永久的に、かな?」



は?


お前は何を言っているんだ?


「お前は何を言っているんだ?」

「心の中の声と全く同じことを言わないでくれ…

まぁ、解除はできないこともないだろうが君についている「弱化魔法」は複雑なこともあり、解除も簡単にはいかないだろうね。」

「じゃあ、俺はずっと弱った状態でこれから過ごせというのか!?」

そんなの、チート主人公に与えられたハンデみたいなものじゃないか。ーーー俺はチートではないがな。


「まあまあ、見たところその魔法の効果は、対象者の使用する「治癒魔法」の効果を0にする。というものだ。」

「かなり限定的だなおい。」

「簡単な内容ほど、効果は強力で長続きしやすくなるのさ。」


つまり、今の俺は「治癒魔法」が使えないというのと同じ状態らしい。ーーーこの程度ならそこまで問題はないだろうな。


「まあ、俺の体については今のところ気にしなくていいだろう。」

「おや?素直だねぇ〜。」

「騒いでもどうにもならねえからな…」

だが、このままというわけにもいかないだろう。


「それで、さっきのやつ追いかけなくていいのか?」

「え?さっきのやつ?」

「俺を刺したやつだよ。破壊したやつと同一人物かもしれないんだろ?」

「あーー、いいや。」



「は?」



なんだこいつ。探すためにわざわざ降りてきたんじゃないのか?そんなことを思っていると、


「そのことについてなんだけど、君に協力をお願いしたい。」

「俺、これから普通の高校生活を送るんだが…」

「魔法科に進学した時点で普通にはならないよ。」

「なんで知っているんだよ…」

「そんなことより、どうなんだい?協力のほうは?」

「何故俺なんだ?」

そう。俺と違ってコイツはそこそこ仲が良いやつなどたくさんいる。他のやつに頼めばいいだろう。


「昔、『レッドセカイ』にお世話になっただろう?」


懐かしい言葉だな。


「前も思っていたが、その『レッドセカイ』って呼び名は一体なんなんだ?」

「そのことは後で話すよ。それより…

そこが今危険な状況にあるんだよ。」

「危険?一体どんな。」

「このままだと…




消えてしまう。」



今何を言ったのだろう。消える?世界が?


「そんなこと…」

「無いだろ。と言いたいのは分かる。だが来れば分かるさ。」

俺の言葉を遮ってそう続けた。

「分かった。今すぐ行こう。」

「正しい判断だよ、ラクト。」



そうして俺はエルの「転移魔法」により『レッドセカイ』というところに向かう。エルが魔法を唱え終わると、目の前が真っ白になり、数秒後、急に光が射し込んできた。






ーーー『レッドセカイ』

俺たちの住んでいる『ニホン』と呼ばれるところよりはるか北の果てに存在する場所。昔行った時には、そう聞いていた。




「久しぶりに来た気がするな。」

「君は「転移魔法」が苦手だからね。転移しなければ着くまでに1ヶ月近くかかるだろうよ。」

「うげ、まじか。」

また行きたいなとは思っていたが、そんなにかかるだなんて。なんかお土産でも買っていこうかな。


「ーーー待っておりました。エル様、ラクト様。」


そう声がかけられ振り返ると、

「ウノさんじゃないですか。久しぶりですね。」

「久しいのう。ずいぶん大きくなったな。」

ウノ・トラン。全身から長い毛が生えており、目と口がその毛によって見えなくなっている。耳と尾が生えており、ウノは「獣人族」の一人であることが分かる。俺から見れば、まだまだ若そうに見えるが意外と歳をとっている。


「それで、待っていた。というのは?」


「ーーーえぇ。まずは、ラクト様。あなたはまだ10数年しか生きておらぬ。故に、詳しく知らないのも無理はないでしょう。ですので、今日は包み隠さず私の知っておることの全てをお話しましょう。」

いかにも真剣だ。つまり、これからはギャグが一切ないシリアス的な展開になると予想される。

「分かった。それで、話とは?」


「ーーー可愛い女の捕まえ方じゃ。」



知ってたわ。どうせ変なこと言うのだろうと分かっていた。だって振りだったもんな。うん。



「オホンッ。今のは冗談じゃ。」

「簡潔にお願いしますよ。」

さっさと先を急かせる。

「話とは…」








「この『セカイ』の構造についてじゃ。」


どうも生贄さんです。すみません、テンプレ展開がありましたね。ホントすみません。ということで早速説明いきましょう。


エル

???歳(最低でも600年は生きている。)誕生日不明、血液型不明。「天使族」である。『異能』は「監視(かんし)」。対象者の使用した魔法などの力や、対象者に付与されている効果を詳しく知ることが出来る。容姿は、金髪ショートカット。背はラクトより少し小さい。昔のある「一件」でラクトと仲良くなる。ラクトに対して恋心はない模様。


ウノ・トラン

202歳。誕生日は1月3日、血液型はO型。「獣人族」である。『異能』は「超聴覚(ちょうちょうかく)」。対象者の声を一度聞けば、その声がどこからするのか、またどんな内容を話しているのかが全て分かる。(聞こえないように遮断されることもある。)

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