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消える『セカイ』と笑う『ボク』  作者: 生贄さん
第1章 『セカイの構造』
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第十三話 授業開始の合図

ここからやっと学園モノがスタートする…



…と思います。

ーーー。

「ふわぁ〜…」

昨日はぐっすり眠れた。俺は欠伸(あくび)をしながら時計に目を向ける。

「今は6時半か。」

疲れから寝坊するかもと心配になっていたが杞憂だった。

すぐに、ベッドから外に出て服を着替え、食卓の場へ向かった。

「……」

向かう途中色々なことを考えていた。

ユノに言われた妹のこともかなり気になるが、

「ユノを探せ、か。」

むこうから「探せ」ということは、俺から遠くには行かないだろう。そこで重要になってくるのは見た目だ。

例え一度会っているとは言っても見た目が分からなければ探すことはできない。

まぁ、変装などされたら見つけられないがおそらくないだろう。

「フードを被ってたせいで、よく分からなかったな。ただ…」

ただ、一瞬だけ、ユノが崩れてゆく『セカイ』を後にする時、ほんの僅かフードの下が見えた気がする。

「確か、黒っぽい色の短めの髪だったような…」

フードのせいでよく分からなかった。

「…何ぶつぶつ言っているんですか?」

「うおっ!?」

急に前から声をかけられ、俺は驚いて視線を下から前へ移す。

「ちょっと気味悪いよ。」

「す、すまん。」

エルにも言われてしまう。

考え事をしながら歩いていたら、いつの間にか食卓に着いていたようだ。






「カナデとフランは家にずっといるんだろ?」

「うん。…どうして?」

フランも不思議と言うかのように首を傾げる。

「急に別の種族がいるなんて知られたら大変だからだよ。特に、俺たち「人族」は大変なんだよ。」

「あ…そっか。」

「?別にラクトさんやナナカさんは問題ないじゃないですか。何が大変なんです?」

カナデは納得したようだが、フランはまだ分かりきっていないようだ。

「そうだなぁ。人はな、他の種族にかなり敏感なんだよ。」

俺は納得してもらえるように説明を始めた。

「人は他種族に比べて弱い。だからこそ、そんな他種族を前にどうしても警戒心を覚えてしまう人のほうが多いんだよ。」

「そうなのですか。」

「それに、人は能力者より無能力者のほうが多いからな。そういうのもあるんだよ。」

「なるほど、分かりました。なるべくラクトさんの家の中にいるようにします。」

なんとか分かってもらえたようだ。



俺たちは会話を続けながら、エルが作ってくれた朝食を食べ続ける。

「ごちそうさま。」

「おや、もう出る時間か。」

「ああ。」

時計は7時半を指すところだった。

「じゃあ、行ってくる。」

「いってらっしゃ〜い♪」

「いってらっしゃいです。」

二人から言葉をもらい、家を出ようと扉に手をかけた。

「ラクト。ナナカにももう一度言っておいてほしい。」

「分かった。今週の土曜日だよな?」

「ああ。」

そう、俺たちは「神族」のもとへ行く必要がある。その行く日をエルに念押しされる。

その確認を終え、俺は家を出て、学校へ向かった。






ーーー朝7時50分。

俺は学校につき、上履きに履き替え、教室に向かう。

いつも俺は早めに来ている。そのためクラスの中はいつも人が少ない。

「はぁぁーーー。」

「ちょっと。朝からそんなため息つかないで。幸せが逃げるでしょ。」

「ん?あぁ、七香か。」

「おはよ。」

「おはよう。」

俺が席に着き、ため息をついたころ、七香もちょうど席に着いたらしく、朝から無駄に怒られてしまう。

ちなみに、俺の前の席が七香となっている。俺の席は廊下側から二列目の一番後ろだ。



「ため息もつきたくなるだろ。たった二日間でここまで疲労するとは…」

俺は言っても仕方のない文句を吐き出す。


「まぁ、確かに分かるよ。私も朝から体中痛くってさ。しばらく戦闘していないだけでここまでつらいのか。」

七香も俺と同じく、月曜日の朝からぐったりしている。


「私たち何年ぶり?」

「うーん、昔が、中3の頃だから…だいたい2年ぶり?」

「えー、そんな経ってたのかぁ。」

俺もおどろきだ。あの「一件」からもう2年も経つとは。


「おや?二人とも朝からつらそうだね。なんかあったの?」

「おっ、雄二か。おはよう。」

「ああ、おはよう。」

「あったも何も…ほんときつかったわ。」

雄二の質問には七香が答えた。

「絡斗君と愛条さんの二人で激しいことをしたの?」

「人聞きの悪い言い方すんな。」

「殺されたいの?」

「ご、ごめん。」

軽口のはずだろうが、今の俺たちはそれに乗る気力もなく、七香は率直な毒舌をはく。さすがに雄二が可哀想だ。

「…それで、どうしたの?」

「ああ、いろいろあったんだが…」

「簡単に言えば戦闘してきた。」

「え?」

雄二は聞き間違いをしたのかもしれないと、俺たちにもう一度聞き直した。

「何があったの?」

「戦闘。」

七香が簡潔に答える。

「あー、俺から軽く説明するよ。」

俺の方から雄二に説明をした。





「なるほど。まだ僕には分からないことだよ。…というより、二人はすでに実戦があるのか…」

「まあな。」

「分かったらこれから雄二は私の下僕ね。」

「なんでそうなる。」


「僕も絡斗君たちの『異能』が気になるけど…」

「…悪いな。親友であっても今はまだ言えないな。」

「だよね。二人は仲が良いんだね。」

「仲が良いというか…」

「ただの腐れ縁ってやつよね。」

「そうだな。」

俺と七香は中学からの幼なじみなのだ。

雄二は高校からの付き合いで、長さで言えば七香のほうが長い。その分お互いに嫌でも詳しく知っている状態だ。


「あ、七香。今週の土曜日な?分かってるよな?」

「分かってるわ。さすがに忘れないよ。」

「なに?デート?」

「……」

「ご、ごめん。」

デジャブかな。

「今は冗談は通じないから。」

「ほんとにつらいんだね。」

雄二はまだ実戦経験がないのだろう。いや、おそらくクラスのほとんどが実戦経験なんてないはずだ。なんせ、授業で「基礎中の基礎」を学ぶくらいだから。

「お前もいつか分かるさ。」

俺はそう言い、時計を見る。

そろそろホームルームが始まる。

雄二も自分の席に戻っていき、しばらくして担任の幸崎(こうさき)先生が入ってきた。



「では、ホームルームを始める。」







ホームルームが終わり、それぞれ一時間目の授業に備える。一時間目は座学として「国語」がある。二時間目からは初めての専門授業「魔法基礎」がある。

授業の準備をしていると、

「えっと、日向(ひなた)君だよね?」

「ん?」

俺を呼ぶ声が聞こえそっちを振り向く。

「えっと、確か…黒瀬(くろせ)さん?」

「はい。あの、このプリントを後ろの黒板に貼ってもらえないでしょうか?私はこの後他の用事がありまして…」

先生に頼まれたものだろうか。3枚ほど大きめのプリントをもっていた。

「ああ、別に構わないよ。」

特にすることもないのでそう、返事をした。

「ありがとうございます。」

黒瀬さんは笑顔でお礼を言い、教室を出ていった。


「悪いんだが、七香も手伝ってくれないか?」

「……」

「七香?」

顔を覗き込むと真剣に考え事をしていた。

「おーい。」

「…あ、すまん。」

俺に気づいたかハッ、と顔を上げた。

「なんかあったか?」

「いや、さっきの黒瀬ってさ、今思うとなんかな〜。」

「?黒瀬さんが?」

「ちょっと…」

周りに聞かれたくないのか耳を近づけるよう促される。

「黒瀬の名前、知っている?」

「あれ?なんだっけ…」

あまり話さない人なので名前を覚えていなかった。

「黒瀬の名前は結乃(ゆの)って言うんだよ。」

「っーー!?」

黒瀬結乃…それがあの子の名前。結乃…そう、俺はその名前を最近聞いたことがある。それは…

「星の…使徒?」

俺は驚き、七香に質問をする。

「黒瀬さんが、あのユノなのか?」

「分からない。けど、可能性はあるかもしれない。」

俺は思考をめぐらせ、そして、

「いや。」

俺の中に結論が生まれる。

「おそらく違うと思うぞ。」

「どうして?」

「一瞬ユノの姿が見えたが、あれは短めの黒髪だった。」

「黒瀬は、茶髪にロングだから、全く違うと?」

七香が頭を悩ませる。

「この短期間でそこまで髪は伸びないだろ。カツラをしていたと言われたらなんも言えないけど、さすがに七香の考えすぎだと思うぞ。」

「確かに。特徴が似てないものね。あんたのことも知らなかったようだし。これから長い時間かけて判断するよ。」

「そうか。それはそうとプリント、手伝ってくれ。」

俺は黒瀬さんに渡されたプリントの話に戻した。




俺たちがプリントを貼り終え席に着いた時、黒瀬さんが教室に戻ってきた。


「……」


さっきの七香との会話からか、少し黒瀬さんのことが気になってしまう。いや、今はそんなことはいい。これから俺がすべきこと…それは、

「俺の双子の妹探しとユノ探しか。」

誰にも聞こえない程度で呟く。そして、


キーン、コーン。カーン、コーン。


本格的に2年生を始める、授業開始の合図が鳴った。

こんばんわ生贄さんです。今回は人物紹介をします。


黒瀬(くろせ)結乃(ゆの)

17歳で誕生日は4月4日。血液型はO型。『異能』は不明。腰近くまで伸びたロングで茶髪な女の子。少し、おとなしめの雰囲気がある。

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