暴露からの突然の訪問!?
ペースは不定期ですがなるべく定期的に投稿するつもりなので温かく見守って──読んでってください。
冷静になったフィリアは一人で納得していた。
「なるほど一ヶ月も私が休んでいたのはこのためですか」
「で。結局、聖・魔法科高等学校って何なんだ?」
と僕が聞くがフィリアは我慢の限界だったようだ。
「兄様!」
「は、はい!」
「一旦、兄様の部屋に行きますよ!セルバは、ここにいてて!」
「かしこまりました」
フィリアは僕の部屋に入るや否や問いかけた。
「それで、あなたは誰ですか?クロス・シルヴァとは言わないでくださいよ。既におかしな点はたくさんあります」
僕は言ってしまうかどうか迷った。よくよく考えれば別に転生したことを隠す必要はないんじゃないか?でも、こういうのは隠さないといけないような気もするぞ?いや、でも・・・言うことにしよう。
「実は・・・僕は・・・この世界に転生して来たらしいんだ」
フィリアは何を言っているのかまるで見当がついていないようだ。
「つまり、あなたはこの世界の人物ではないと言いたいのですか?」
「そうなんだ。僕は──」
そう言って僕は自分が地球にいたこと、この世界に来てから知らないことがたくさんあるということ、自分が体験したことなどを隠す素振りも見せずに話した。
「なるほど。あなたの言っていることは大体わかりましたし、本当のクロス・シルヴァではないこともわかりました」
「ふぅ・・・そうかわかってよかったよ」
そう安堵しようとしたら、
「あと、もう一つ確認してもいいですか?」
と、言われたので、
「な、何かな?」
と、もう話せることはないと思いながら返事をした。
「あなたが転生する前の本当の兄様は今どうなっているのですか?」
「さ、さぁ、僕からは何も」
「そ、そうですか」
勿論僕は本当にわからない。もしかして悲しんでる?でも確かにそうだよな自分の兄が急にいなくなって俺みたいなやつが来たんだしな。いや別に意図してないけど。
「フィリア、ってお前の本当の兄でもないのにこう呼んでいいかわからないし、そんな僕が言うことじゃないだろうけど伝えておくよ。人が大事にしている『過去』を作り出すには、未来に向かってしっかり歩んでいくことだと思うんだ。だから君の過去に僕がなってみせるよ。君のお兄さんのようには出来ないかもだけど、君は今まで通り、しっかり未来を歩んでいけばいいと思うよ」
そう言いながら僕はフィリアの頭を撫でた。
──私の兄は昔からぶっきらぼうで、毎日毎日本を読んでばかりだったけど、たった一度だけ慰めてくれた『フィリアなら未来へ歩いていける』という言葉。まさか同じ兄様ではないのに同じ言葉を言うなんて──
フィリアは何かを決心した顔になった。
「そう、ですよね」
そう言ってフィリアは一拍置いて、
「わかりました。あなた、いえ、兄様に全力で協力させていただきます!あと、私のことはフィリアと呼んでいただいてかまいません」
「わかったよ。色々と思うところはあるけど、これからよろしく頼むよ」
「はい!」
フィリアは本当の兄だけでなく、どうやら僕にまでも懐いたらしい。
「さて、正直に転生者と言ってくれたことで私も協力しやすいですが、あまり転生者ということを周りに言わない方がいいと思われます」
「別にこのことを言ったって支障はないと思うんだけど?」
「兄様は知らないんですか?転生者について」
「あー。そんな本を読んだ記憶はあるけど、内容が全然思い出せないんだよなー」
「そうですか。(ということは)・・・」
「ん?何か言ったか?」
「あ、いえ、何でもないです。いいですか?転生者というものは、転生魔法を使わないと転生なんて出来ないんです」
「つまり僕のことを転生させた人がいるということなんだね」
「そうです。それに、転生と言っても魂をこの世界に連れてくるだけで肉体はこの世界の者を使うんです。そして、転生した者は来たばかりで数時間もせずにこの世界について把握している」
「なるほど。肉体の知識を使ってこの世界を把握しているということか。でもそれってその肉体の魂は消滅するんじゃないか?そんなのその肉体の人が可哀想じゃないか」
「だから転生魔法は禁じられてここ最近はそんなに使われてこなかったんです」
あ、なるほど。確かに可哀想だもんな。この世界の人は賢明な判断をしてくれる。
「なので!兄様がやるべきことはもう何かわかるでしょう?」
えーと?転生魔法が禁止されていて僕が転生しているから?うーん?しばし考えたあと僕は悩みながら答えた。
「うーん、転生魔法を使った人を探す?」
フィリアは呆れたように首を振った。
「五十点です。探すだけでは違法行為をした人に何をされるかわかったものではありません。捕まえなければならないのです」
「そんなのこんな僕じゃ弱くて捕まえれないよ」
フィリアはさらに呆れた。
「はぁー。兄様、もう少し察してください。兄様が強くなればいいんですよ」
「・・・えっ?いやいや僕なんかが強くなるなんて無理だよ!」
そりゃそうだ。ただの高校生が一言に強くなるって到底無理な話だ。
「無理かどうかは兄様次第です」
「それはそうだけど」
「もしかして兄様は自分の力を?いや、何でもないです」
そう言われると気になっちゃうのが人間の性ってやつだけど何でもないと言われたから追及はしない。
「ということで、兄様はこれから──」
そう話していると、『ピンポーン』とインターホンらしき音が家に響いた。
「これ、もしかして手紙にあった『別の人』がきたんじゃない?」
「そうですね。来てしまったものはしかたありません。兄様のフォローを出来るだけするので、兄様も怪しまれないようお願いします」
「わかったよ」
少し話したらこの家をすぐに出るらしいのでセルバにはもう、母の元に行ってもらった。それにより、この家には僕とフィリア、そしてとても小さく百四十ほどの金髪で膝まである長い髪の小学生?が、計三人がいた。
「君は誰かな?一人でここまで来るなんて」
「貴様もしかしてこの私を子供かなんかと思っているのか?」
フィリアはこの威張っているような少女の服に刻まれた紋章を発見した。
「貴方はもしかしてあのルミエール家の?」
「いかにも私が聖・魔法科高等学校生徒会長のルナ・ルミエールだ!わっはっはー」
今回はどうでしたか?
何かアドバイスがあったら遠慮せず言ってください。参考になりますので。