零話 転生
ーここは幾千、幾万とある異世界の中の一つ。それについ最近(二億年前)できたばかりの異世界だ。今日は太陽系の惑星、地球から一人のニンゲンが転生された..。ー
ふと目を開ける。腰が痛い。痛てて..
「あれ、ここは何処だ?死んだはずじゃ...?ってこれ俺の身体じゃないぞ、どうなってるんだ?」
なんだここ。少し落ち着こう、俺は...もみじって名乗ってた男で、14歳の受験生。ヲタクだ。
くしゃみした衝撃でぎっくり腰になり助けを呼ぼうとして階段から滑り落ち逝った男だ。よしよし。一応覚えている。
本名以外はな...。本名が思い出せん、まぁいいか。でも、一つ気になることがある。
さっきも言ったが身体の感覚がおかしい。ヒトだ。ヒトなんだけどいつもと違う。体が軽い、力が無い、目線が低い。声も高い。
目線はあれか、回りがでかいだけかもしれん。それにあったはずのモノが無いがまぁいい。まずはこの身体がどうなってるのかが知りたい。
回りを見渡すと、
「洞窟?」
辺り一面岩だらけ。しかし寒さは感じない。むしろ気持ちがいい温度だ。すこしうろうろしていると大きな地底湖を見つけた。
「うわぁ...」
めっちゃ深い。数十メートルなんてもんじゃない。下手したら数百メートルあるかもしれん。湖に写った顔を見ると...。そこには俺好みの幼女が!! 服は、パーカーにズボンか...。あれ、これって死んだ時の服装だ。少し嬉しい。
「おい、嘘だろ...」
ありがとう神様。俺は幼女になれてただただ嬉しいよ。
さて、そんな事よりさっさとここから出る方法を捜さねば...。
近くをぐるぐるしていると小さな穴があった。雰囲気からして恐いな、親に叱られるよりも何倍も恐ろしい。
ザクザクザク... ザクザクザク...
何時間歩いただろうか、それに違和感を感じた。
「体力が多い...?」
全く疲れない。息が少し上がるぐらいで、足も動くし、喉も渇かない。参ったな、幼女よりも体力が無いのか...
ザクザク... ザクザク...
どのくらい歩いただろうか。流石に疲れてきた。足も笑い始めた。
「はぁ...はぁ...」あ~辛い。辛い。
奥の方から話声が聞こえた声からして男一人、女一人だ。
「よ..よかった...。あ..あれ...?」身体に力が入らない。
ドサァッ
小さな身体は大きな音と共に崩れ落ちた。
「.... ....も~し もしも~し」と優しい声。暖かく包み込む用な声。どこか懐かしい声。
「...ん..あ..?ここは?」参ったな、いきなり倒れるとは...
「リムさん!起きましたよ!」
「お、起きたか。」
う~ん、とリムと呼ばれた好青年は大きくアクビをする。
「あなた達は?」
「紹介がまだだったな。俺はリム。でこっちが...」
「私が、フィリアよ。よろしくね!あなたの名前は?」
「俺の名前は...もみじです。」
「俺...?」と二人は不思議そうに首を傾げる。
「あ、そうだった。俺、気づいたらあの場所にいたんですよ。それに、こっちに来る前は男でしたし。」
「リム..これって...」
「あぁ、間違いなく、”転生者”だな。」
転生者...?
「違う世界に来ちまった奴の事さ。神隠しとも言われてるがな。さてそろそろ行くか。ほら、付いてこいさっさとしないと置いてくぞ」
ま、待ってくれ...
部屋の扉を開けるとそこはとても賑やかだった。
「飲み屋?」
「いや、ギルドだ。まぁほとんど飲み屋だがな。」
ぼ~っと二階から下をみてると...
「アイツが噂の転生者か?お~いこっち来いよ、一緒に呑もうぜ~」
なんて声を掛けてくれる人もいる。
「呑むのは後だ、まずはカードを作らんとな。こっちだ。」
一階に降り、受付嬢の所まで来た。それに綺麗やなぁ...耳を見るからエルフだ。エルフは綺麗な人しかいないからな。
「ちょっとこいつにカード作ってやってくれ。」
「はぁい、わかりました。ではこちらに名前を書いてください。」
「本名がわからないんですけど、馴染みのある名前でもいいですか?」
「問題無いですよ~」
「はぁい、ありがとうございます、次に好きな職業を2つこの中から選んでくださいね~」
差し出された紙にはとんでもないほどの職業があった。土木から自警団、冒険者いろいろあった。
俺はその中から”農家”と”冒険者”を選んだ。
農家がメインで冒険者がサブだ。和紙みたいな硬い紙に受付嬢の綺麗な文字がスラスラと書かれる。
「はぁい、出来ましたよぉ」
今、この瞬間から俺は第2の人生を歩むんだ!...まさかこの世界でも死なないよな...?
どーも、時雨オートのもみじです。今回は前に書いていた小説ではなく新しく書き始めました。あの小説は案が浮かび次第更新するつもりです。