表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Kinder der Hoffnung  作者: 悠花
1/1

知りたい

当たり前のことを当たり前にできる

それがどれほど恵まれたことなのか私は知っている。


仲の良い友達

大好きな彼氏がいる。


それがどれほど恵まれたことだろうか。


わかっているのに私はその恵まれた環境に

感謝できない。それどころか退屈とさえ感じる。


そんなことばかり考えていたからだろうか。

私がこの暗闇の中にいる羽目になったのは。


顔を上げると見慣れた景色ではない真っ暗闇。

何も見えない。

でも私にはわかる.


ここには何もない


私以外に何も。

でも私を見る視線がある。

無数の目がある。


それはここのものではない。

私が今ここに存在しているのを見ているのは


あなただ。


私が退屈していた日常から一気に非日常へと連れ去らうこの暗闇がどこなのか私にはわからない。

これでやっと退屈な毎日から解放されたはずなのに私は“恐怖”で立ちすくむほかなかった。


立ちすくみ動けず から涙がこぼれそうになった時

私は気づいた。

私の耳に、何かが貫通していることに。


そっと耳をなぞるように触れる

手には冷たく丸い小粒な何かがあたった。


これはなんだ。


見たい


恐怖よりも見たいというこの気持ちがまさったとき

そこは暗闇ではなく柔らかい白い光に包まれた暖かい場所に変わった。


手の中に転がるそれは

小さな小さな蒼いピアスであった。


心当たりのないピアス。

私しか存在しない暗闇。

見たいと願ったその時に明るく照らされたこの場所。


謎は深まるばかり。

でも今、

私の心には恐怖ではない何かがぐるぐると目まぐるしく

動いている。

これは、そう、

“興奮”

である。今から起こる何かへの期待。

好奇心。非日常のこの空間

全てが私を夢の世界へといざなう。


でもこれは夢ではない、

はっきりと言おうこれは現実である。

現実であるがまるで夢かのような


いま

現在 は私を立ちすくませるのではなく

それを知るために動かせようとした。


私は願った。強く思った。

知りたいと .

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ