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あれほど嫌がったのでついて来ないかと思っていた峰元も、いつの間にか集団の最後尾を歩いていた。
ほどなくして話題の家についた。
少し離れたところは商業地と飲み屋街で、この辺りは住宅地のはずなのだが、公園と神社に挟まれた細い道の奥にあり、周りに民家は一軒もなかった。
家の右側が公園で、左側と後ろが神社の所有地。
そして正面が道だった。
「すごいところにあるなあ」
そう言ったのは一人だが、みなが同じことを思ったものだ。
「じゃあさっそく探索しますか」
沖田がそう言い、玄関に向かった。
さすがに懐中電灯は用意していなかったので、スマホをその代用品にしていた。
みなもそれに習った。
そして玄関を開けようとしたが、当然のことながら鍵がかかっていた。
しかしこういった場所では羽目を外す輩は珍しくないようで、窓ガラスがいくつも割られていた。
そこから中に入れなくもないのだが、俺を含めた全員が、何故かそれを躊躇った。
どうしてなのかは俺自身にもわからなかったが。
「おい、こっち来てみろよ」
相場の声だ。
声のほうへと向かうと何故か車庫のシャッターが開いたままで、中に一台の車があった。
いかにもファミリーカーといった感じの普通車だったが、その色は派手な赤で、その点はその辺のファミリーカーとは違う印象を受けた。




