血入りのココア
私のココアはちょっぴり赤い
美味しい美味しい隠し味
愛する貴方の、素敵な赤
私のココアはちょっぴり不思議
鉄みたいな味がして
貴方の愛を感じるの
「だからね」
私は今日もココアを飲むの
貴方にそっと針を刺して
美味しい隠し味をもらう
貴方は泣いて喜んで
いつも幸せそうに私を見るの
私以外の子を呼ぶからね、声を出ないようにしちゃったから…何を言ってるかは分からないけど
私のご飯をむしゃぶりつくほど、グチャグチャにしちゃうほど美味しく食べてくれて
私にいつも涙を流しながら
きっと、美味しいよって言ってくれてる
ほかの子に会いに行くから足は切り落としちゃったけど
貴方は私の目の前にいて
動けないその身体で
必死に部屋から出ようとするの
私が出かけて帰ってくると
いつも玄関に迎えに来てて
また涙を流しながら
何かを言うの
きっとその言葉は
おかえり
愛してる
でね
私はいつも、いつでも貴方に思ってもらえてるの
ねぇ、貴方
愛してる
私をいつまでも愛してくれてるあなたを
愛してる
でもね、今日は、動かないね
どうしたのかな
元気がないみたい
少し会わなすぎたかな、ごめんね?忙しくて
もう大丈夫だよ、今日のご飯は美味しかった?
そう、死んでしまうほど美味しかったの
嬉しいなぁ
それじゃあ
今日も貴方のココアを飲むね
チクッとするけど、許してね
私のココア
私の大切な貴方の
血が入ったココア
「愛してる」