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「ねぇ紫ちゃん。今の馬車の檻、見た?」
レイルは通りすぎた馬車が気になるのかまだ後ろを向いている。
好奇心がそそられるのか、それでも馬車はレイルの意に反して動き出す。
「ええ。大きな檻でしたね、動物の鳴き声も聞こえましたし。それが何か?」
「鳴き声したよね、なんだぜ」
レイルが何を言いたいのかわからず、意図の読めない質問に首を縦に振るしかなかった。
「ねぇクロスケ。
あの馬車尾行してほしいんだぜ、クロスケなら気配隠すことも気配辿ることも得意でしょ、なんだぜ」
「ただでさえめんどくさそうな事なのにさらに巻き込ませるか?
自分で行ってこいよ。
あの檻の中気になるんだろ」
コクはまるで檻の中身に気づいているような口振りだった。
レイルがぐぅとうめき声をあげるとヘアピンを取り出し、それをアルカナロッドに変えた。
「じゃーちょっと行ってくるぜ、何かあったら法弾打ち上げるんだぜ」
レイルはそういい残してふわりと飛び差ってしまった。
どんどん高くなるその背を見ながらノアはぽつりと呟く。
「レイルさん、大丈夫でしょうか」
「問題ないだろう。
奴は頭の回転も早く弱い訳でもない。何か無謀だと判断すればいった通りの事をするだろう」
ハクは振り返ることなくそう言った。
「俺はめんどくせーからパスしたけど、人数的にレイルならどうとでもなるだろ」
「コクさん、何か知ってるんですか?」
振り返ることなくそう呟くコクに、ノアは怪訝そうな視線を送った。




