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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第十一章
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5


「これは丸1日馬車の旅になりそうですね」


「だな、結構道のり遠そうだ」


そう言ってコクは地図を閉じる。

道のりは遠い。


馬車があるとは言えその遠さにノアはげんなりと意気消沈するが、仕方ないと自分に言い聞かせてぎゅっと手綱を握る。

森の中を馬車は音を立てて進む。


時折木々の隙間から鹿やウサギと森の動物達が姿を見せる。

その愛らしさに目を奪われてしまいそうになるが、ノアは頭を振って目の前の事に集中する。


時刻が昼に差し掛かる頃。

ノア達はようやく森を抜けた。

小高い丘と川のせせらぎが耳に届く。


ノアは馬車を川沿いに止め、一旦馬車から降りる。


「ハクさん、レイルさん、お疲れ様です。一旦お昼にしましょう」


「ああ、もうそんな時刻か」


昼食時だと知らせるや否や、ハクは食材の入った麻袋と大きな鍋を取り出して馬車を降りる。

レイルもお腹すいたと呟いてから同じく馬車を降りた。


「レイル、森から薪を集めてきてくれ」


「はいはーい、了解だぜ」


レイルは自身の金の髪からヘアピンを引き抜くと、アルカナロッドを顕現させた。

それに乗り、法力を流すと杖はふわりと空に浮かぶ。


「それじゃちょっと行ってくるぜ」


その言葉と共に杖は大きく飛び上がり、先ほど抜けた森へと入っていった。


「コクは水樽を下ろしてくれ」


「はいよっと」


今度はコクが御者台を降りて、荷台に上がる。

荷台から大きな水樽をおろし、辺りにどすんと大きな音が響いた。



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