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その後準備が終わり、試しにコクとレイルの泊まった部屋をノックすると、確かに誰の返事もない。
ハクは遠慮もなしに勢い良くドアを開けた。
「コク!レイル!そろそろ出発の時間だぞ!起きないか!」
バン、と大きな音をたててドアが開かれる。
部屋の中ではハクのいった通り、ベッドの上でまだ眠っているコクとレイルがいた。
ハクの声で目を覚ましたものの、未だ起き上がる事は無くベッドの上で燻っている。
「んぇ、シロちゃんおはよぉ。まだ眠いぜー」
レイルは起き上がったもののまだ眠気が残るようで、ゆらゆらと揺れたかと思えば再びベッドに突っ伏してしまった。
「出発だといっている!起きんか!」
ずかずかとハクは部屋に上がり、勢い良くコクとレイルの頭を叩く。
ぱん、と大きな音がして、ようやくコクも目を覚ました。
「ふぁ……。もう出るのか……?」
「そうだと言っている、さっさと準備を済ませろ!」
コクがのんきにあくびをし、ハクは相当頭に来ているのかぴりぴりと手厳しく二人を叱咤する。
それでもまだぼんやりとまどろみに包まれている二人を見て、ハクがクロガネを顕現させてからようやく二人は慌ただしく動き始めた──。
「それでは1日お世話になりました」
「はい!またいらしてくださいね!」
コクとレイルの準備も済み、ようやくノア達は宿を出るに至った。




