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クァルトゥス鉱山
夕食を済ませ、眠りに落ちた次の日の朝。
ノアはベッドから起き上がると、まだぼんやりともやの残る頭で目を覚ます。
「おはよう、ノア」
眠い目を擦りながら、声のした方へ振り返る。
そこには準備を手早く済ませ、ソファでくつろいでいるハクの姿があった。
「おはようございまふ、ハクさん」
まだろれつの回らない声音で律儀にそう返すと、ハクのくすりと笑う声が聞こえた。
「顔でも洗ってきたらどうだ?目が覚めるぞ」
「ふぁ、そうしますねぇ」
ノアはあくび混じりにのそりとベッドから這い出す。
洗面所へ赴き、蛇口を捻って水を出した。
それを手ですくって顔にかけると、冷たい水のお陰で頭がすっきりした。
濡れた顔をタオルで拭い、寝癖だらけの髪を櫛で整える。
いつもの服に袖を通し、改めていつも通りの自分が出来上がる。
「おはようございます、ハクさん」
洗面所から出て、改めてハクに一言述べる。
その一言にハクはもう一度おはようと返した。
朝食はどこかで何か買う事に決めて、出発の準備を進めていると、ふとコクとレイルが気になった。
「コクさんとレイルさん、起きてますかね」
ふと疑問に思った事を述べると、ハクの顔は一気に苦々しい物となった。
「起きてはおらんだろうな……コクは惰眠を貪る質でな……。レイルもレイルで一人では起きて来ないだろうな」
「あー……」




