7
部屋に戻り、荷物を置いてようやく一息ついた。
「はー、買い込みましたねぇ。疲れましたー」
ソファにぽすんと座り、ふうと一息つく。
荷物が多かったせいもあってか、頬には一滴の汗が伝っていた。
「汗かいちゃいましたし私お風呂行きますね。ここって大浴場もあるみたいですよ!」
「わたしは部屋のシャワールームを使う。
わたしに構わず行ってきていいぞ」
ノアがうきうきとトランクから着替えを出しているとハクはノアと対照的に、至って冷静に答える。
ノアは短くそうですかとどこか残念そうに呟いた。ふと、スカートのポケットに手を入れる。
「あの、ハクさん。お礼というほどでも無いのですが、よろしければこれ、差し上げます」
ノアがポケットから小さな包みを取り出すと、ハクは不思議そうな顔でそれを受けとる。
「これは……開けても言いか?」
ノアが頷く。
ハクはかさかさと音をたてて包みを開き、中の緋色の結い紐を取り出した。
「それ、ハクさんに似合うと思ったんです髪を結うのにお使いください」
「ありがとう、早速使わせてもらおう」
ハクは元々自分の髪をしばっていた黒い結い紐を外し、ノアからのからプレゼントされた緋色の結い紐に付け替える。
きゅ、と縛り終えるとハクはつうっと指でなぞったり、どこか恥ずかしそうに髪を弄んだ。
「やっぱり。よく似合います」
ノアが満足そうに笑うとハクもにこりと笑った。




