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「何を考えているのかはしらんが、わたしはついて行くぞ」
「俺も、ハナからついて行くつもりだったぞ。めんどくせーけど退屈じゃねぇしな」
そう答えたのはハクとコクだった。
ノアにとってその申し出はどれ程嬉しいものか。
だがグレンデルの言葉がノアの心に深く刻みこまれる。
自身の周囲には法獣の危険が伴うと、自身の周囲は不幸になると。
その言葉を聞いてしまえば断るしかなかった。
「私といては、何度も法獣が襲ってくるかも知れないんですよ……!そんな危険な旅に巻き込むだなんて……!」
「紫ちゃん、オイラもついていくぜ。昨日言ったぜ。
迷惑だろうからじゃなくて、助けてって言えば助けてくれる。
それが友達だって。友達だから、困ってたら助けるんだぜ」
レイルがにこりと笑う。
「ひとりぼっちはさみしいぜ。紫ちゃんはもうひとりぼっちじゃないんだぜ」
彼はいったい何を知っているのだろうか。
ずっとひとりぼっちで旅をしてきたノアの心を見透かしているかのようだった。
「そうだ。お前はもう一人ではないのだ」
続けてハクがそう答える。
ノアの両目からは自然と大粒の涙が溢れていた。
「ありがとう、ございます……。どうか、私を助けてください……っ!」
かくして彼女のひとりぼっちの旅は終わりを告げた。
一人じゃない。その言葉が彼女にとってどれ程嬉しいものか。
彼女の旅は真に幕をあける。
物語の行く末も知らぬまま。
第九章「フィーニス」終了




