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外はすっかり明るくなっており、ノアが目指すのは未だ騎士団の指揮を取り、怪我人の治療に当たっているルルニアのもとだった。
「長老様」
「おお、小娘。妾に何か用か」
ルルニアの周囲には包帯を巻いた騎士団員がちらほらといた。
だがそれよりもノアは気になることが一つあった。
「……長老様、先程の戦いで犠牲者も出たと思います。その方々は今どちらに」
ノアはそれだけが気がかりだった。
自分が守りきれずやられていく騎士団員も少なからずいた。
自分が手を下したわけではないにせよ、それはグレンデルを止められていれば出ないはずの犠牲だった。
「お主も中々の者よのう……、まぁよい。
ひとまず里の外れに移送させた。後程埋葬してやる予定じゃ。花でも手向けてやれ」
ルルニアはぷかりと煙管を吹かせる。
どこかへと続く道をしめすと、さっさと作業へと戻ってしまった。
ノアはその背中に礼を言い、ルルニアの示した方角へと踵を返す。
道中花屋により、花を買って道を進むと神木のそばで起きた惨状を知らないのか、里の外側は"いつもの日常"で溢れていた。
里を出て、すぐそばの森の奥。そこには墓地があった。
「あの辺りでしょうか」
ノアはぐるりと目を這わす。
そこには墓地のすみに並べられた遺体があった。




