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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第九章
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7


外はすっかり明るくなっており、ノアが目指すのは未だ騎士団の指揮を取り、怪我人の治療に当たっているルルニアのもとだった。


「長老様」


「おお、小娘。妾に何か用か」


ルルニアの周囲には包帯を巻いた騎士団員がちらほらといた。

だがそれよりもノアは気になることが一つあった。


「……長老様、先程の戦いで犠牲者も出たと思います。その方々は今どちらに」


ノアはそれだけが気がかりだった。

自分が守りきれずやられていく騎士団員も少なからずいた。


自分が手を下したわけではないにせよ、それはグレンデルを止められていれば出ないはずの犠牲だった。


「お主も中々の者よのう……、まぁよい。

ひとまず里の外れに移送させた。後程埋葬してやる予定じゃ。花でも手向けてやれ」


ルルニアはぷかりと煙管を吹かせる。

どこかへと続く道をしめすと、さっさと作業へと戻ってしまった。

ノアはその背中に礼を言い、ルルニアの示した方角へと踵を返す。


道中花屋により、花を買って道を進むと神木のそばで起きた惨状を知らないのか、里の外側は"いつもの日常"で溢れていた。

里を出て、すぐそばの森の奥。そこには墓地があった。


「あの辺りでしょうか」


ノアはぐるりと目を這わす。

そこには墓地のすみに並べられた遺体があった。



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