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ノアは改めて狐に向かって駆け出した。
レイルはグーラの時のようにアルカナロッドを箒のように扱い、低空飛行で空を駆ける。
身体を這うように飛び、狐はレイルを撃ち落とそうと火球をつくる。
「やっぱオイラを狙うよね、だぜ!」
レイルは空中で杖を持ち直し、金狐の草原のような身体を駆け昇りながらにその火球を法弾で撃つ。
ぼふんと弾は音をたて、ぶつかり合って消える。
「紫ちゃん!」
「はい!」
ノアは足から背、頭とかけて巨大な体躯を駆け登る。
風の様に身体を駆けるノアを見て、狐は一鳴きして火球を出現させた。
「はいクロスケ弾幕薄いぜ!」
「わかってるっての!!」
進路に出現した火球をシロガネの影は容易く切り裂く。
ノアは一気に頭に登りつめると、まだ傷のついていない方の眼をハコブネで切り裂いた。
両の目を失った狐は大声で鳴き、暴れだす。
「ハクさん!」
ノアはハクに言葉を投げる。
「ああ、まかせろ!」
ハクの下で刀を納刀し、精神を集中させるかの様に目を閉じて、息を吐いた。
「その身に刻め、我が刃!」
ハクは静かに閉じていた目をかっと見開き、火花が舞うほど素早く抜刀する。
「蒼龍式剣術──桜花!!」
その剣筋は見えず、剣閃のみが花弁の様に煌めき、狐の身体を剣閃が走る。
嵐の様な剣撃が巻き起こったかと思えば、狐の身体はバラバラに切り裂かれ、ぼとぼとと血肉のみが降り注ぎ、泥となってその姿を消した。




