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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第九章
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2


「紫ちゃん!こっち!」


下でレイルが大きく手を振る。

狐の様子を見たノアは何かを察知し、レイルの元へと駈けた。


同様の何かを感じ取ったのか少し遠くではコクがシロガネのドームを作っていた。


「ルーメン・サンクタム!」


ノアが近くにくると、レイルはアルカナロッドと呼ばれる法具を地面に突き立てた。


そこを中心として光のドームが現れる。

地面に突き刺し防御壁をはることがおそらくアルカナロッドの能力なのだろう。


狐は大きな咆哮をあげる。

狐を中心として大きな炎の竜巻が巻き起こり、辺り一面を焼き払った。

ドームの中にいてもその熱気はひしひしと伝わり、びりびりと衝撃波が走る。


「うえぇ!!これオイラのおうち燃えてないよね!だいじょぶなんだぜ!?」


その空気を壊す様にレイルは一人慌てて見せる。

だがこうも炎に巻かれた中ではレイルの家の様子など見えるはずもなかった。

炎の嵐が去る。辺りには焼け野原が広がっていた。


「レイルさん!今はともかくあれに集中です!」


「うう、あいあいだぜー!」


確かにレイルの家の様子も気になるが、今は目の前の敵が最優先だとノアはレイルの意識を集中させる。

レイルが杖を引き抜きドームを解除すると蒸すような熱気がノア達を包んだ。


遠方に目をやると、多少暑さにやられてはいるもののハクとコクも無事なようだった。

熱い空気が肺を満たし、息を一つ溢す。



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