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かたかたとルルニアはティターニアと呼ばれた法具を操って行く。
それにも構わず金狐は火球をルルニアに打ち出した。
「はあっ!」
ノアがそれを斬り裂きルルニアを守るルルニアが法具でなにかを操作していると、 周囲近くの民家からふらふらと民間人が現れる。
「皆様!こちらは危険です!」
「案ずるでない」
ルルニアがにやりと笑ってティターニアを操作する。
「チェンジリング!」
ルルニアがそう叫ぶと、民間人の姿は一瞬にして騎士団の人間へと変わる。
「これは…… !」
「ほほほ、愉快じゃろう。人間を取りかえる法具よ。
任意の人々達の名前を打ち込み、前後数分の記憶をも操作し取りかえる。
この里すべての者を記憶している妾にふさわしい法具じゃ」
ルルニアは得意そうにそう語った。
人々から取りかえられた騎士団は猛々しい声を上げて盾を持ち、槍を掲げる。
巨大な狐はそれらを一瞥すると、羽虫を振り払うかのように尻尾で凪ぎ払った。
「怯むな!敵は魔物一匹だ!」
騎士団長らしき人間がそう声をはりあげる。
だが羽虫を追い払うかの様に周りを焼き尽くした。
「ぐああぁっ!!」
「いけない!」
騎士が数人炎に巻かれて倒れる。
ノアが狐を斬りつけるも傷は浅く、ノア一人ではどうにもならなかった。ふいにハク、コク、レイルの姿が脳裏を過る。
「ダメ、一人で、やらないと……!」
ノアは巨大な狐を流れる様に斬り続ける。
だが狐は尻尾でそれを受け止め、いなし、まるで童子と遊んでいるかのようだった。




