古の物語
何千年と太古のおとぎ話。
まだ神がこの地にとどまっていたころ。ある地に二人の男女がいた。
男の名はアオン・アーク心優しく、神に使える巫子だった人物だ。
神はアオンの優しさを気に入って友の様に接していたが、けして神としての手助けはしなかった。
時に人間に知恵を授け、時に世界の残酷さを教える。
神はこの世界を愛していた。
そしてもう一人の女。
ロベリア・ニアク。
彼女は病床に伏した、夫となる男を愛していた。
けれども彼の命はそう長くはなかった。
ニアクは神にこう願う。
──私はどうなっても構いません、どうかあの人の病を治してください。
だが神は決まってこう答えた
──人の世界に神の力が介入して良いものか。ここは人間の世界だ。
ニアクは何度も何度も神に願うが、決まって神は同じ言葉を並べるのだった。
そして数年後、結婚式を迎える数日前にニアクの愛した男は天へと帰った。
それからニアクは毎晩毎晩悲しみにくれた。
いつしか愛情は世界を、神を憎む憎悪となり、愛した男から貰ったペンダントにこう願う。
──どうか私に力をください。この忌々しき世界を汚す力を
そう願うとペンダントは紅く輝き、一本の細剣となった。
大切な日にきるはずのウェディングドレスを裂いて身に待とう。
彼女は憎悪の炎でいくつもの人間も、村も、町も焼いていった。
七体の法獣を従えて、彼女は美しく破壊の道を歩む。
神の愛した世界は醜く汚れていく。




