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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第七章
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古の物語

何千年と太古のおとぎ話。

まだ神がこの地にとどまっていたころ。ある地に二人の男女がいた。


男の名はアオン・アーク心優しく、神に使える巫子だった人物だ。

神はアオンの優しさを気に入って友の様に接していたが、けして神としての手助けはしなかった。


時に人間に知恵を授け、時に世界の残酷さを教える。

神はこの世界を愛していた。


そしてもう一人の女。

ロベリア・ニアク。


彼女は病床に伏した、夫となる男を愛していた。

けれども彼の命はそう長くはなかった。

ニアクは神にこう願う。


──私はどうなっても構いません、どうかあの人の病を治してください。


だが神は決まってこう答えた


──人の世界に神の力が介入して良いものか。ここは人間の世界だ。


ニアクは何度も何度も神に願うが、決まって神は同じ言葉を並べるのだった。

そして数年後、結婚式を迎える数日前にニアクの愛した男は天へと帰った。


それからニアクは毎晩毎晩悲しみにくれた。

いつしか愛情は世界を、神を憎む憎悪となり、愛した男から貰ったペンダントにこう願う。


──どうか私に力をください。この忌々しき世界を汚す力を


そう願うとペンダントは紅く輝き、一本の細剣となった。

大切な日にきるはずのウェディングドレスを裂いて身に待とう。


彼女は憎悪の炎でいくつもの人間も、村も、町も焼いていった。

七体の法獣を従えて、彼女は美しく破壊の道を歩む。

神の愛した世界は醜く汚れていく。



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