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「了解です!姐さん!」
少女は歩く足をぴたりと止め、勢いよく走り出した
「姐さんって、私そんなに怖い人間じゃありません……!
私にはノア・レヴァリエと言う名前がですね……!」
少女・ノアは不機嫌そうに顔を膨らませた。
暗い路地裏から抜け、光指す明るい大通りに出る。
ノアはため息混じりに呟いた。
「はぁ、初めて来る街……。
この街に、私の探しているものがあると良いのですが」
ノアはそう呟いて人混みに消えていった。
そんなノアを見下ろす影が一つ。
路地裏の建物の上から一連の出来事を見ていた人物がいた。
毛先の赤い黒い髪、猫目の様な赤い瞳を持つ少年だった。
「へーぇ、あのお姉さん。法具士なのか。
これは良いモン見っけたな」
少年はプレッツェル状の焼き菓子にチョコレートをコーティングした菓子をくわえながら呟く。
少年はおもちゃを見つけた様に笑うとその場から姿を消した。
序章「マフラーの少女」終了




