49/167
9
ルルニアはけたけたと人を小バカにしたように笑った
「確かに、ありました……ですが封を破った者に持ち去られてしまい……」
「そうかそうか。では寝物語にでも聞かせてやろう。
妾は記憶力には自信があるでな、あの村には少し訪れ、少し読んだ程度だが退屈しのぎにはなろう」
ルルニアは気分よく煙管を吹かせるぷかりぷかりと煙があがる。
その煙はルルニアを象徴するように気まぐれに形を変えるのだ。
「あれは今より、数千年と古の物語──」
そこから先は幾年もの古き時代に至る、ハコブネの一族の記憶。
第六章「旅人ひとり」終了




