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「明日、シロちゃんとクロスケとで、皆でいこうぜ」
レイルがそうにこりと笑い、かわいらしい八重歯が露になる。
レイルはテーブルから降りて寝室へ向かおうとする前に一言、ノアに静かに呟いた。
「紫ちゃん。シロちゃんもクロスケも、付き合いは短くたって紫ちゃんのことは友達だと思ってるんだぜ。
迷惑だろうからじゃなくて、助けてって言えば助けてくれる。
そう言うのが人間達の友達、なんだぜ」
「はい、ごめんなさい。レイルさん」
レイルはひらりと手を振って二階の寝室へと上がっていった。
最後に、テーブル下のノアのトランクを一瞥して。
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皆が寝静まった夜、ノアはトランクを持ってレイルの家を出ていく。
ひゅうっと夜の冷たい空気がノアを包む。ノアはまっすぐ、目の前にある巨木を目指した。
代々里の長はこの巨木にすむとレイルが言っていたのだ。
ノアは巨木を前にし、ごくりと息を飲む。
根元には丁度人一人入れそうなほどの穴が開いており、ノアはそこから木の中に入る。
木の中はまるで祠の様で左右には松明がごうごうと燃えていた。
「あの、長老様……、長老様はいらっしゃいますか……?」
ノアはどこか怯えたようにこの里の長老を呼ぶ。
すると祠の影から一人の少女が現れた
「こんな夜に……妾に何かようか。不躾なやつめ」




