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方舟物語  作者: 狛ノ上緒都
方舟物語・第六章
46/167

6


「明日、シロちゃんとクロスケとで、皆でいこうぜ」


レイルがそうにこりと笑い、かわいらしい八重歯が露になる。

レイルはテーブルから降りて寝室へ向かおうとする前に一言、ノアに静かに呟いた。


「紫ちゃん。シロちゃんもクロスケも、付き合いは短くたって紫ちゃんのことは友達だと思ってるんだぜ。

迷惑だろうからじゃなくて、助けてって言えば助けてくれる。

そう言うのが人間達の友達、なんだぜ」


「はい、ごめんなさい。レイルさん」


レイルはひらりと手を振って二階の寝室へと上がっていった。

最後に、テーブル下のノアのトランクを一瞥して。


────


皆が寝静まった夜、ノアはトランクを持ってレイルの家を出ていく。

ひゅうっと夜の冷たい空気がノアを包む。ノアはまっすぐ、目の前にある巨木を目指した。


代々里の長はこの巨木にすむとレイルが言っていたのだ。

ノアは巨木を前にし、ごくりと息を飲む。


根元には丁度人一人入れそうなほどの穴が開いており、ノアはそこから木の中に入る。

木の中はまるで祠の様で左右には松明がごうごうと燃えていた。


「あの、長老様……、長老様はいらっしゃいますか……?」


ノアはどこか怯えたようにこの里の長老を呼ぶ。

すると祠の影から一人の少女が現れた


「こんな夜に……妾に何かようか。不躾なやつめ」



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