旅人ひとり
すっかり日も落ちた夜の里。
二人は買い物と称して外に出る。
ノアには必要なものがわからず、その辺りはレイル任せだ。
どこか不安が残るものの、商店街を訪れる。
そこには子供ばかりで、子供達が親の真似事なのか店を経営していた。
近所の商店街でレイルはきちんと食材を買っていく。
量以外は
「あの、レイルさん?食材が少し多すぎるのではないでしょうか」
店先。両手に袋いっぱい詰め込まれた食材をみて、ノアは苦々しく笑うと、レイルは逆に驚いたような顔になる。
「だってお腹がすくんだぜ。オイラは研究で頭いっぱい使うから、その分ご飯いっぱい食べたいぜ」
レイルはにかっとまぶしい笑顔を見せた。
ノアはずっと疑問に思っていたことを口にする。
「レイルさん、その研究というのは」
「オイラ達ソファイアの、ソフィアールにすむソファイアの義務みたいなもんだぜ。
紫ちゃん、ここの制度はしってる?」
ノアは首を横にふった。
「じゃあ帰るまでの間に聞かせてあげよっかなんだぜ」
レイルは両手いっぱいに荷物をもって歩き出す。
「まずオイラ達の種族、妖精種ソファイアは人間、リュウの民、そしてもういっこからなる4種族中最弱の種族の代わりに4種族最高の頭脳を持ってるんだぜ。
だから決まってソファイアは学者になる者が多いんだぜ。
ここでこの里の制度を紹介するぜ」
レイルはそう言うと、建物の隙間から見える巨木を仰ぎ見た。
里全体を包もうと葉を広げていると思わせるほどの巨大な木だった。
あまりにも巨大で、恐ろしくも見えた。




