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「これが法獣。
出すのはややこしいしほとんど純粋な法力だから自分の法力が空っぽになる場合もあるんだぜ」
ウルラと呼ばれたコノハズクは、レイルの頭に止まったかと思うと自由気ままにふわふわと空を飛ぶ。
「多分、あのグレンデル?えーっと、レンレンでいいや。
あの人も、一体出すのに相当疲労あると思うぜ。
たぶん出せても二体が限界なんだぜ」
レイルはその言葉を体現するようにウルラを法力に戻した。それと同時に疲労のこもったため息を一つ漏らす。
「さ!お掃除の続きするんだぜ!
といいたいけど、シロちゃーん、お腹すいたから買い出し行ってきていーい?」
レイルは両手をぱんと叩いて場の空気の流れを変える。
レイルはいまだ鳴り続く腹を押さえて、ハクにせがむように問う。
「その場合私達は掃除当番だが、ところ構わず捨てるかも知れんぞ」
「本当に大事なものは別のとこにあるからへーきだぜ!じゃあ紫ちゃん!いこ!」
レイルはなんの前触れもなくノアの手を掴み、玄関へと走り出した。
「えっ!?わ、私!?ああああの!コクさんハクさん、お手伝い出来ずに申し訳ございません!」
ノアはレイルに引きずられるがままにそう言い残す。
彼女は台風に拐われるがごとく、慌ただしくレイルの家を出るのだった。彼女は冷たい記憶を引き起こされてもなお笑う。
グレンデルは0から悪意を増幅させることは出来ないと気づかぬまま。
第五章「冷たい記憶」終了




